NYマーケットダイジェスト・2日 株高・金利低下・ドルもみ合い

(2日終値)
ドル・円相場:1ドル=161.44円(前営業日比▲0.02円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=173.48円(△0.08円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0745ドル(△0.0005ドル)
ダウ工業株30種平均:39331.85ドル(△162.33ドル)
ナスダック総合株価指数:18028.77(△149.47)
10年物米国債利回り:4.43%(▲0.03%)
WTI原油先物8月限:1バレル=82.81ドル(▲0.57ドル)
金先物8月限:1トロイオンス=2333.4ドル(▲5.5ドル)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な米経済指標)
       <発表値>   <前回発表値>
5月米雇用動態調査(JOLTS)求人件数
       814.0万件   791.9万件・改

※改は改定値、▲はマイナスを表す。

(各市場の動き)
・ドル円はほぼ横ばい。米長期金利の指標となる米10年債利回りが4.40%台まで低下すると円買い・ドル売りが先行。パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が「データはディスインフレの軌道に戻りつつあることを示唆」「予想外の労働市場の軟化は行動のきっかけになり得る」と述べたことも相場の重しとなり、22時30分過ぎには一時161.27円と日通し安値を更新した。
 ただ、パウエル議長が政策変更に関しては持続的なインフレ鈍化実現への「一層の確信が必要」と慎重な姿勢を堅持したことから、ドル売りは長続きしなかった。5月米雇用動態調査(JOLTS)求人件数が814.0万件と予想の791.0万件を上回ったことも買い戻しを促し、23時過ぎには161.62円付近まで持ち直した。
 もっとも、4日は独立記念日で米金融市場は休場。明日3日は米株式・債券市場が短縮取引となり、連休を取る市場関係者も多いもよう。積極的な売買を手控える雰囲気もあり、大きな方向感は出なかった。

・ユーロドルは小幅ながら4日続伸。欧州市場では一時1.0710ドルまで値を下げたものの、売り一巡後は買い戻しが優勢に。米長期金利の低下に伴うユーロ買い・ドル売りが入ったほか、パウエルFRB議長の発言が相場の支援材料となり、22時30分過ぎには一時1.0747ドルと日通し高値を付けた。そのあとは良好な米雇用指標を受けて1.0724ドル付近まで下押しする場面もあったが、引けにかけては1.0747ドル付近まで再び強含んだ。

・ユーロ円は小幅に5日続伸。欧州時間に一時173.09円と本日安値を付けたものの、売り一巡後は買い戻しが優勢となり取引終了間際には173.53円付近まで持ち直した。ユーロドルにつれた動きとなった。

・米国株式市場でダウ工業株30種平均は続伸。欧州株相場の下落を受けて売り先行で始まったものの、売り一巡後は買い戻しが優勢に。米長期金利が低下し、株式の相対的な割高感が薄れたことが相場の支援材料となった。
 ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数も続伸し、史上最高値で取引を終えた。電気自動車(EV)のテスラが10%近く上昇した。2日に発表した2024年4-6月期の世界販売台数は前年同期を下回ったものの、市場予想ほどは悪化しなかったことが好感された。

・米国債券相場で長期ゾーンは3日ぶりに反発。4日の独立記念日を前に持ち高調整目的の買いが優勢となった。5月米JOLTS求人件数が予想を上回ると売りが出たものの、反応は一時的だった。なお、パウエルFRB議長の発言については「新味に乏しい内容で債券相場の反応は限られた」との声が聞かれた。

・原油先物相場は反落。中東の地政学リスクや夏場のドライブシーズンの最盛期に向けたガソリン需要拡大の期待から買いが先行し、一時84ドル台まで上昇した。ただ、カリブ海を通過するハリケーン「ベリル」を背景とした供給不安が和らいだことで、約2カ月ぶりの高い水準まで上昇した原油相場は利益確定売りに押され反落して取引を終えた。

・金先物相場は続落。予想比上振れの5月米JOLTS求人件数を受けてFRBによる利下げが後ずれるとの思惑がくすぶり、売りに押された。ただ、パウエルFRB議長の発言がハト派寄りとも受け止められ買いが入る場面も見られた。

(中村)
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