ロンドン為替見通し=ユーロ圏HICPに対するECBメンバーの見解に注目

 本日のロンドン為替市場でもユーロドルは、欧州金融当局者の発言を見極めながらの取引は変わらず。本日までポルトガルで開かれている欧州中央銀行(ECB)主催のフォーラムでは、同銀のデギンドス副総裁やチポローネ専務理事、またチーフエコノミストでもあるレーンECB専務理事がパネルディスカッションに参加予定。欧州昼過ぎにはウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁も討議に参加が見込まれている。

 昨日発表された6月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)速報値は、前年比総合が市場予想通りの2.5%と前回から減速も、前年比コアが予想を0.1ポイント上回り、前回から横ばいの2.9%となった。この辺りに関するECBメンバーの見解、特に理事会内で影響力が大きいとされるチーフエコノミストのレーン氏の見立てが注目される。

 経済指標では、改定値ではあるが仏独ユーロ圏の6月サービス部門購買担当者景気指数(PMI)が発表予定。速報値が予想比下振れており、景況判断の境目50を下回った仏の結果をより注視したい。また5月分ではあるが、ユーロ圏卸売物価指数(PPI)もマイナス幅を確認しておきたい。

 他、欧州序盤には6月トルコ消費者物価指数(CPI)も明らかとなる。前月比/前年比ともに前回から減速見込みだが、前年比予想は72%台とまだまだ高い水準だ。トルコ政府が期待するディスインフレーションまでは、まだ暫く時間がかかるだろう。ただ、リラ円は今週に入り、4.90円台の200日移動平均線を超えてきた。ドル円の強さに支えられているとはいえ、久しぶりの5円台も視野に入っている。

 なお、英国では明日4日に下院総選挙の投開票が行われる。最大野党・労働党の勝利がほぼ確実視されるなか、同党が幾らまで議席数を伸ばすか、現与党の保守党がどの程度で踏み留まれるかが焦点。政権交代は織り込み済みながらも、勝ち過ぎとなった場合の市場の反応が注目されそうだ。

想定レンジ上限
・ユーロドル、日足一目均衡表・雲の上限1.0809ドル
・ユーロポンド、1日高値0.8499ポンド

想定レンジ下限
・ユーロドル、6月26日安値1.0666ドル
・ユーロポンド、6月25日安値0.8431ポンド


(小針)
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