ニューヨーク外国為替市場概況・3日 ドル円、上昇

 3日のニューヨーク外国為替市場でドル円は上昇。終値は161.69円と前営業日NY終値(161.44円)と比べて25銭程度のドル高水準だった。仏政治や財政を巡る懸念が和らぐ中、欧州株相場の上昇を背景にリスク・オンの円売りが先行すると、20時過ぎに一時161.95円と1986年12月以来約37年半ぶりの高値を付けた。
 ただ、その後発表の6月ADP全米雇用報告や前週分の米新規失業保険申請件数が予想より弱い内容となり、労働需給の緩和が示唆されると、米長期金利の低下とともに一転ドル売りが優勢に。6月米ISM非製造業指数が予想を大幅に下回り、5月米製造業新規受注が予想に反して減少したこともドル売りを促し、23時過ぎには160.78円と日通し安値を更新した。
 もっとも、1日の安値160.63円が目先サポートとして働くと買い戻しが優勢に。円の先安観を背景に円売りが出やすい面もあり、5時過ぎには161.75円付近まで持ち直した。
 なお、米連邦準備理事会(FRB)がこの日公表した6月11日-12日分の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨では「利下げへの確信得るための追加情報を待っている」「多くの当局者は経済成長の漸進的冷え込みを認識」「当局者はインフレ目標へのさらなる緩やかな進展を認識」との見解が示された。

 ユーロドルは5日続伸。終値は1.0786ドルと前営業日NY終値(1.0745ドル)と比べて0.0041ドル程度のユーロ高水準だった。低調な米経済指標が相次ぐと、米長期金利の低下とともに全般ドル売りが先行。23時30分前に一時1.0817ドルと6月12日以来の高値を付けた。ただ、同日の高値1.0852ドルが目先レジスタンスとして意識されると1.0778ドル付近まで下押しした。

 ユーロ円は6日続伸。終値は174.42円と前営業日NY終値(173.48円)と比べて94銭程度のユーロ高水準。欧州の政局不安が和らぐ中、投資家のリスク志向が改善すると円売り・ユーロ買いが進行。23時前に一時174.52円と1999年のユーロ導入以来の高値を付けた。ドル円の下落につれた売りが出ると173.87円付近まで下げる場面もあったが、下押しは限定的だった。

本日の参考レンジ
ドル円:160.78円 - 161.95円
ユーロドル:1.0736ドル - 1.0817ドル
ユーロ円:173.42円 - 174.52円

(中村)
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