NY為替見通し=独立記念日の休場で閑散取引だが、円買い介入の可能性には要警戒か

 本日のNY為替市場のドル円は、独立記念日で休場のため閑散取引が予想される中、本邦通貨当局によるドル売り・円買い介入の可能性には警戒しておきたい。

 本邦通貨当局は、2022年9月22日は東京勢が退場しつつあった17時30分頃、10月21日はロンドン勢が退場しつつあった23時30分頃、24日は東京勢が参入しつつあった8時30分頃、2024年は、4月29日の東京市場が休場の日や5月2日の午前5時といった取引が薄くなる時間帯にドル売り・円買い介入を実施している。
 おそらく円買い介入を指揮している神田財務官が、市場取引が薄い時間帯を狙って介入効果を最大限にするための戦術を採っていると思われることで、本日のニューヨーク市場休場という閑散取引の中での円買い介入の可能性には警戒しておきたい。

 本邦通貨当局は、2022年と2024年の円買い介入に際して、米財務省へ事前に通告していなかったことをイエレン米財務長官から批判されている。そのため、今後の介入は事前に通告して、介入の大義名分としてはボラティリティーの抑制と、為替報告書で監視リスト入りした要因である対米貿易黒字の削減のため、などが挙げられる。

 ドル売り・円買い介入の原資である外貨準備高は、5月末時点で1兆2316億ドル、このうち証券は9276億ドル(@161円=約149兆円)となっている。

・想定レンジ上限
 ドル円の上値目処(めど)は、162.64(ピポット・レジスタンス2)

・想定レンジ下限
 ドル円の下値目処(めど)は、160.63(7/1安値)


(山下)
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