ロンドン為替見通し=仏政局は不透明感強く動きにくい、パウエル議会証言まで小動きか

 週末に行われた、フランス選挙の決選投票はサプライズとなる結果となったものの、昨日のユーロ相場は驚くほど小幅なレンジにとどまった。どの水準にも大きめのオプションが設定されていることで、値動きを限定させていることも一因だが、それよりもフランスの政局がいまだに不透明感が強いことで、ポジションを一方的に傾けにくいのが主要因ではないかとも思われる。
 
 一部では、マクロン仏大統領率いる中道政党連合「アンサンブル」が仮に過半数を獲得できなかったとしても、選挙運動中に極右と同じくらい危険だと描写しているメランション氏の急進左派政党「不服従のフランス」との連携を試みることはないことで、左派連合「新人民戦線(NFP)」内の穏健派政党である社会党や緑の党との連立政権樹立を目指したとの考えがあったと伝わっている。しかしながら、アンサンブルが想定以上に獲得議席を減らしたことで、マクロン大統領の目論見が破綻してしまった。

 マクロン大統領の任期が2027年もあることで、今後の政策は左派との協力関係を模索しながら、個別案件ごとに政権運営を図る可能性が高まっている。その場合は財政拡大政策を推し進める左派の意見をどの程度マクロン大統領が組み入れるかが焦点となりそうだ。

 なお、本日は欧州からは市場を動意づけるような経済指標の発表予定がないことで、市場が注目するのは欧州時間では午後に行われるパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の議会証言になりそうだ。


想定レンジ上限
・ユーロドル:6月6・7日高値1.0902ドル。

想定レンジ下限
・ユーロドル:日足一目均衡表・転換線1.0761ドル。


(松井)
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