欧州マーケットダイジェスト・9日 株安・金利上昇・ドル高

(9日終値:10日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=161.31円(9日15時時点比△0.41円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=174.36円(△0.13円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0809ドル(▲0.0020ドル)
FTSE100種総合株価指数:8139.81(前営業日比▲53.68)
ドイツ株式指数(DAX):18236.19(▲235.86)
10年物英国債利回り:4.159%(△0.046%)
10年物独国債利回り:2.580%(△0.040%)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な欧州経済指標)
特になし

(各市場の動き)
・ドル円は強含み。欧州勢の参入後は米10年債利回りの上昇などを手掛かりに買いが先行。161.10円台まで上昇するなど底堅く推移していたが、パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の議会証言後には買いが強まる場面も見られた。
 パウエルFRB議長は米上院銀行委員会の議会証言で、先行きの金融政策について「会合ごとに判断する」との考えを改めて示したほか、「最近のインフレデータは2%目標への穏やかな進展を示唆」「より良いデータが増えればインフレに対する確信が強まるだろう」「インフレが持続的に2%に向かうという確信が高まるまで利下げは適切ではない」などと述べた。
 総じてこれまでの発言から大きな違いはなく、市場では「利下げ時期に対する手掛かりはほとんど得られなかった」と受け止められたため、米金利の上昇とともにドル買いで反応。米10年債利回りが4.32%台まで上昇するなか、一時161.52円と日通し高値をつけた。

・ユーロドルは小安い。米金利の上昇などが重しとなって1.0806ドルまで弱含んだ。もっとも、本日ここまでの値幅は0.0027ドル程度と狭く、1.08ドル台前半でのレンジ内推移にとどまった。
 なお、米格付け会社ムーディーズはこの日、仏下院選挙の結果は同国の信用格付けにとってマイナスだと警告。大連立政権が樹立されれば意思決定や債務管理がより困難になるとの見方を示した。

・ユーロ円は小高い。欧州勢の参入後に174.02円の安値をつけたものの、その後はドル円の上昇につれて下値を切り上げる展開となり、24時過ぎには174.59円まで本日高値を更新した。もっとも、昨日につけたユーロ導入来高値の174.63円手前では伸び悩んだ。

・ロンドン株式相場は3日続落。石油精製マージンの低下が4-6月期の業績に影響を及ぼすとの見通しを示したBPが4%超の下げとなり、指数を押し下げた。また、バークレイズやロイズ・バンキング・グループなど銀行株の下げも目立った。

・フランクフルト株式相場は続落。仏株価指数などの下落につれて終日軟調に推移した。個別では金融機関が目標株価を引き下げたメルセデス・ベンツグループ(3.43%安)の下げが目立ったほか、エアバス(2.84%安)やバイエル(2.71%安)なども売りに押された。

・欧州債券相場は下落。米債券安につれた。

(岩間)
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