ニューヨーク外国為替市場概況・10日 ドル円、3日続伸

 10日のニューヨーク外国為替市場でドル円は3日続伸。終値は161.69円と前営業日NY終値(161.33円)と比べて36銭程度のドル高水準だった。欧米株価指数の上昇などを背景に投資家のリスク志向改善を意識した買いが先行した。ダウ平均が440ドル超高まで上昇幅を拡大するなか、米10年債利回りがNY勢の参入後に低下幅を縮小したことも支えとなり、一時161.81円と日通し高値をつけた。
 なお、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長は米下院金融サービス委員会で議会証言を行ったが、「インフレに関してさらなる確信が欲しい」など、前日とほぼ同様の見解を示したため、相場への影響は限定的だった。

 ポンドは堅調。ピル英中銀金融政策委員会(MPC)委員やマン英MPC委員からインフレ懸念が相次いで示されたことを受け、全般にポンド買いが強まった。ポンドドルは一時1.2849ドルまで上昇。ポンド円は円売りの流れに沿った面もあり、2008年以来の高値となる207.82円まで上値を伸ばした。短期金融市場では8月の英利下げ確率が50%未満まで低下する場面もあり、英金利先安観の後退がポンドを下支えしたようだ。

 ユーロ円は続伸。終値は175.11円と前営業日NY終値(174.45円)と比べて66銭程度のユーロ高水準だった。欧米株高を手掛かりにした円売り・ユーロ買いが進み、一時175.16円までユーロ導入来の高値を更新した。

 ユーロドルは3営業日ぶりに反発。終値は1.0830ドルと前営業日NY終値(1.0813ドル)と比べて0.0017ドル程度のユーロ高水準だった。取引時間終盤には株高を受けたリスクオンの流れに沿って1.0831ドルまで上昇する場面があったものの、総じて1.0820ドル台を中心とする狭いレンジ内推移に終始。本日の値幅はわずか0.0020ドル程度と限られた。


本日の参考レンジ
ドル円:161.26円 - 161.81円
ユーロドル:1.0811ドル - 1.0831ドル
ユーロ円:174.39円 - 175.16円

(岩間)
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