株式明日の戦略-4桁下落でも週間ではプラス、来週は半導体企業の決算に注目

 12日の日経平均は4日ぶり大幅反落。終値は1033円安の41190円。

 日経平均は4桁の下落。ただ、週間では278円高とプラスで終えた。木曜まで大きく上昇していたからこそ、下にも値幅が出たと捉えておいた方が良い。新興グロース株は米長期金利の低下に好反応を示している。プライムでも値上がり銘柄の方が多かったように、日経平均が下げたからといって、パニック的な動きにはなっていない。きょう弱かった半導体株も、直近で強く買われた銘柄の下げが大きくなっており、短期的な過熱感が削がれた程度。この先は、大型株に押し目買いが入るのであれば、再び力強い上昇が期待できる。大型株の上値が重くなるのであれば、中小型株に資金が向かう可能性が高い。どちらにしても悪い流れではなく、弱気に傾く局面ではない。


【来週の見通し】
 底堅い展開か。東京市場は月曜15日が休場で4日立ち合い。米国では経済指標の発表が多く、4-6月期の決算発表も出始める。欧州では18日にECB理事会が開催されることから、海外の材料に一喜一憂することになるだろう。ディスコ、ASML、TSMCの決算発表が予定されており、グローバルで半導体株の注目度が高まる展開が想定される。国内半導体株の多くは12日に大きく下落したが、これらの決算が良ければ押し目買いが入ると思われる。失望決算となった場合、半導体株は嫌われるだろうが、日本株全体では半導体株を見切って、別の業種に資金がシフトする可能性が高い。米6月CPIが弱かったことから、米国の利下げに対する期待は一段と高まっている。多少不安定となりながらも、買い意欲の強い状態が継続すると予想する。

【今週を振り返る】 荒い動きが続いたが、週間では上昇した。日経平均は週明け8日は米国株高を好感できずに下落したが、9日から11日までは3日連続で3桁の上昇。9日は半導体株が強く買われて800円近く上昇し、10日はファーストリテイリングなど指数構成銘柄に買いが入った。11日は米国株高を追い風に400円近い上昇となり、42000円を上回った。注目の米6月消費者物価指数は市場予想を下回り、米長期金利は低下したが、エヌビディアが大幅安となるなど米国株の反応は案外となった。ドル円が一時大きく円高に振れたことも警戒材料となり、12日は大型株が売り込まれて1000円を超える下落。それでも週間ではプラスで終えた。日経平均は週間では約278円の上昇となり、週足では5週連続で陽線を形成した。
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