ニューヨーク外国為替市場概況・15日 ドル円、3日ぶり反発

 15日のニューヨーク外国為替市場でドル円は3営業日ぶりに反発。終値は158.06円と前営業日NY終値(157.83円)と比べて23銭程度のドル高水準だった。パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長やデイリー米サンフランシスコ連銀総裁の発言を控えて、しばらくは158.00円を挟んだ狭いレンジ取引が続いた。21時30分発表の7月米ニューヨーク連銀製造業景気指数は▲6.6と予想の▲6.0をやや下回ったが、相場の反応は限られた。
 なお、パウエルFRB議長はこの日、「過去3回のインフレ指標は信頼感を高めた」「第2四半期のインフレ率はさらに改善」などと発言。市場では「想定よりもハト派的な内容だった」との受け止めから、当初は円買い・ドル売りで反応した。前週末の安値157.38円を下抜けると一時157.19円と6月17日以来約1カ月ぶりの安値まで急落した。
 ただ、売り一巡後は買い戻しが優勢となり、158円台前半まで持ち直した。パウエルFRB議長が利下げ開始時期についての言及を避けたことが相場を下支えした。

 ユーロドルは4日ぶり小反落。終値は1.0894ドルと前営業日NY終値(1.0907ドル)と比べて0.0013ドル程度のユーロ安水準だった。欧州時間発表の5月ユーロ圏鉱工業生産が予想を上回るとユーロ買い・ドル売りが進行。目先の上値の目途として意識されていた前週末の高値1.0911ドルや6月高値1.0916ドルを上抜けて、24時過ぎに一時1.0922ドルと3月21日以来約4カ月ぶりの高値を付けた。
 ただ、18日の欧州中央銀行(ECB)定例理事会を前に、持ち高を一段と傾ける動きは限られた。米長期金利の上昇も相場の重しとなり、2時30分過ぎには1.0893ドル付近まで下押しした。

 ユーロ円は3日ぶりに小反発。終値は172.20円と前営業日NY終値(172.16円)と比べて4銭程度のユーロ高水準。欧州時間に一時172.56円と日通し高値を付けたものの、パウエルFRB議長の発言をきっかけにドル円が急落すると171.58円と日通し安値を更新した。ただ、ドル円の持ち直しにつれた買いが入ると172円台前半まで値を戻した。

本日の参考レンジ
ドル円:157.19円 - 158.42円
ユーロドル:1.0882ドル - 1.0922ドル
ユーロ円:171.58円 - 172.56円

(中村)
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