株式明日の戦略-大幅高で36000円を上回る、米PPIを無難に消化できるか
13日の日経平均は大幅続伸。終値は1207円高の36232円。休場の間の米国株やドル円が落ち着いた動きを見せたことから下値不安が後退し、寄り付きから400円を超える上昇。高く始まった後も上値を伸ばした。主力銘柄の多くに買いが入ったが、中でも12日の米国市場でエヌビディアが大幅高となったことを手がかりに、半導体株が騰勢を強めた。前場では上げ幅を4桁に広げたところで押し戻されたが、後場に入ると4桁高の状態が定着。終盤にかけても買いの勢いが緩まず、36200円台まで水準を切り上げ、高値引けとなった。新興銘柄の動きも良く、グロース250指数が3.6%高と大きく上昇した。
業種別では保険、電気機器、証券・商品先物などが大幅上昇。下落は空運1業種のみで、パルプ・紙や陸運などが小幅な上昇にとどまった。1Qが営業黒字に転換したイーレックス<9517.T>がストップ高。半面、昼安みに決算を発表した力の源ホールディングス<3561.T>は、1Qの最終減益着地が嫌気され、後場に入って急落した。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり1342/値下がり284。東京エレクトロン、レーザーテック、アドバンテストなど半導体株が大幅上昇。MSCI指数への新規採用が決まったコクサイエレが12.2%高と値を飛ばした。三菱重工、日立といった今年の人気銘柄が急伸。先週9日にストップ高比例配分となったフジクラやトレンドマイクロに強い買いが入った。決算関連ではSOMPOやMS&ADなど保険株の動きの良さが目立った。上期の最終赤字縮小が好感された楽天Gが9%を超える上昇となった。
一方、1Qが最終赤字となったシャープが6%近い下落。1Qが最終減益となったジャムコや通期の純利益見通しを引き下げたアトラエが急落した。MSCI指数からの除外が決まったヤマトHD、NXHD、小糸製作所が大幅安。証券会社が目標株価を引き下げた明治HDが5%を超える下落となった。
三連休明けの日経平均は大幅高。高く始まって場中も上げ幅を広げ、節目の36000円を難なく突破して高値引けと、非常に強い動きを見せた。ただ、多くの銘柄が同じ方向を向いているだけに、下げる時も下に値幅が出やすい点は留意しておきたい。
本日の米国では、7月の生産者物価指数(PPI)が発表予定。翌14日の消費者物価指数(CPI)の方が注目度は高いが、米長期金利やドル円を刺激しやすい指標ではある。最近の米指標は弱いと景気後退が意識されることもあるが、物価指標は強いと粘着質なインフレが警戒されることから、弱い方が好ましい。ただ、市場予想を下回る結果となった場合、米金利が低下してドル安・円高が進む可能性がある。市場予想を上回る結果の場合は米金利上昇、ドル高・円安が見込まれるが、米国株は売られるだろう。今の日本株にとっては、無難な結果で米金利やドル円があまり動かないというのが歓迎されそうだが、都合よくいくかどうか。
PPIが日本株の売り材料となった場合には、CPIに対する警戒も高まる。一方、PPIを無難に消化できればCPIに対する警戒も和らぐ。日経平均はきょう1200円近く上昇しているだけに、下げたとしてもその半分の600円安くらいまでにとどめることができるかが注目される。PPIが買い材料となった場合には、きょうの4桁上昇が意外高ではないとの見方が強まることから、連日で値幅を伴った上昇も期待できる。
(川畑)
業種別では保険、電気機器、証券・商品先物などが大幅上昇。下落は空運1業種のみで、パルプ・紙や陸運などが小幅な上昇にとどまった。1Qが営業黒字に転換したイーレックス<9517.T>がストップ高。半面、昼安みに決算を発表した力の源ホールディングス<3561.T>は、1Qの最終減益着地が嫌気され、後場に入って急落した。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり1342/値下がり284。東京エレクトロン、レーザーテック、アドバンテストなど半導体株が大幅上昇。MSCI指数への新規採用が決まったコクサイエレが12.2%高と値を飛ばした。三菱重工、日立といった今年の人気銘柄が急伸。先週9日にストップ高比例配分となったフジクラやトレンドマイクロに強い買いが入った。決算関連ではSOMPOやMS&ADなど保険株の動きの良さが目立った。上期の最終赤字縮小が好感された楽天Gが9%を超える上昇となった。
一方、1Qが最終赤字となったシャープが6%近い下落。1Qが最終減益となったジャムコや通期の純利益見通しを引き下げたアトラエが急落した。MSCI指数からの除外が決まったヤマトHD、NXHD、小糸製作所が大幅安。証券会社が目標株価を引き下げた明治HDが5%を超える下落となった。
三連休明けの日経平均は大幅高。高く始まって場中も上げ幅を広げ、節目の36000円を難なく突破して高値引けと、非常に強い動きを見せた。ただ、多くの銘柄が同じ方向を向いているだけに、下げる時も下に値幅が出やすい点は留意しておきたい。
本日の米国では、7月の生産者物価指数(PPI)が発表予定。翌14日の消費者物価指数(CPI)の方が注目度は高いが、米長期金利やドル円を刺激しやすい指標ではある。最近の米指標は弱いと景気後退が意識されることもあるが、物価指標は強いと粘着質なインフレが警戒されることから、弱い方が好ましい。ただ、市場予想を下回る結果となった場合、米金利が低下してドル安・円高が進む可能性がある。市場予想を上回る結果の場合は米金利上昇、ドル高・円安が見込まれるが、米国株は売られるだろう。今の日本株にとっては、無難な結果で米金利やドル円があまり動かないというのが歓迎されそうだが、都合よくいくかどうか。
PPIが日本株の売り材料となった場合には、CPIに対する警戒も高まる。一方、PPIを無難に消化できればCPIに対する警戒も和らぐ。日経平均はきょう1200円近く上昇しているだけに、下げたとしてもその半分の600円安くらいまでにとどめることができるかが注目される。PPIが買い材料となった場合には、きょうの4桁上昇が意外高ではないとの見方が強まることから、連日で値幅を伴った上昇も期待できる。
(川畑)