欧州マーケットダイジェスト・14日 株高・金利低下・ドル一進一退

(14日終値:15日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=147.21円(14日15時時点比△0.12円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=162.13円(△0.48円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1014ドル(△0.0023ドル)
FTSE100種総合株価指数:8281.05(前営業日比△45.82)
ドイツ株式指数(DAX):17885.60(△73.55)
10年物英国債利回り:3.825%(▲0.063%)
10年物独国債利回り:2.180%(▲0.006%)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な欧州経済指標)
       <発表値>    <前回発表値>
7月英消費者物価指数(CPI)
(前月比)   ▲0.2%      0.1%
(前年比)    2.2%      2.0%
CPIコア指数
(前年比)    3.3%      3.5%
7月英小売物価指数(RPI)
(前月比)    0.1%      0.2%
(前年比)    3.6%      2.9%
7月仏消費者物価指数(CPI)改定値
(前月比)    0.2%      0.1%
(前年同月比)  2.3%      2.3%
4-6月期ユーロ圏域内総生産(GDP)改定値
(前期比)    0.3%      0.3%
(前年同期比)  0.6%      0.6%
6月ユーロ圏鉱工業生産
(前月比)   ▲0.1%    ▲0.9%・改
(前年比)   ▲3.9%    ▲3.3%・改

※改は改定値を表す。▲はマイナス。

(各市場の動き)
・ユーロドルは欧州株相場の上昇などを背景にリスク・オンのユーロ買い・ドル売りが先行。NY市場に入り、米労働省が発表した7月米消費者物価指数(CPI)が前月比0.2%/前年比2.9%、エネルギーと食品を除くコア指数が前月比0.2%/前年比3.2%とほぼ予想に沿った内容だったことが分かると売買が交錯した。
 米CPI発表直後に一時1.1004ドル付近まで売られたあとはすぐに買い戻しが優勢となり、23時30分過ぎに1.1047ドルと年初来高値を更新した。市場では「食品とエネルギーを除いたコア指数の前年同月比の伸びが4カ月連続で鈍化し、米連邦準備理事会(FRB)による9月利下げの論拠を支える結果となった」との声が聞かれた。
 ただ、買い一巡後は再び伸び悩む展開に。米金融政策の影響を受けやすい米2年債利回りが上昇したことなどが相場の重しとなり、1.1012ドル付近まで押し戻された。

・ドル円は一進一退。日本時間夕刻に一時147.50円まで値を上げたものの、前日の高値147.95円が目先レジスタンスとして働くと失速。米インフレ指標発表直後は売買が交錯し、一時146.58円まで値を下げたものの、すぐに買い戻しが優勢となり147.58円と日通し高値を更新した。そのあとも146.58円付近まで売られたが、3時前には147.26円付近まで買い戻されるなど、一進一退の動きとなった。
 市場では「前日発表の7月米卸売物価指数(PPI)に続き、インフレの鈍化傾向が示された。FRBによる9月の利下げ観測が改めて意識されたものの、大きなサプライズはなく、おおむね落ち着いた値動きとなっている」との声が聞かれた。

・ポンドドルは結局下げた。英国立統計局(ONS)が発表した7月英CPIが予想を下回ると、英中銀(BOE)による利下げ観測が高まりポンド売りが先行し、一時1.2820ドルと日通し安値を更新した。23時30分過ぎには1.2864ドル付近まで下げ渋る場面もあったが、3時過ぎには1.2821ドル付近まで押し戻された。

・ユーロ円は買い先行後、もみ合い。欧州株相場の上昇を背景に投資家のリスク志向が改善すると円売り・ユーロ買いが先行。22時過ぎに一時162.59円と1日以来の高値を付けた。ただ、そのあとはドル円とユーロドルの値動きの影響を同時に受けたため、相場は大きな方向感が出なかった。

・ロンドン株式相場は4日続伸。7月英CPIが予想を下回ると、英利下げ観測が高まり買いが先行した。前日の米株式相場や本日のアジア各国の主要株価指数が総じて堅調に推移したことも投資家心理の支えとなった。セグロやランド・セキュリティーズ・グループなど不動産株が買われたほか、コンパス・グループなど一般消費財サービスが値上がりした。

・フランクフルト株式相場は7日続伸。前日の米国株や本日の日本株相場が底堅く推移すると投資家心理が改善し買いが広がった。個別ではハノーバー再保険(2.29%高)やラインメタル(1.90%高)、アディダス(1.83%高)などの上昇が目立った。

・欧州債券相場は上昇。米債高につれた。

(中村)
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