週間為替展望(豪ドル/ZAR)-豪ドル、雇用強く堅調維持
◆豪ドル、7月雇用統計が強く他中銀との方向性の違いで堅調維持
◆NZドル、再利下げの可能性高く上値が重い
◆ZAR、リスク選好・回避で振り回され上下
予想レンジ
豪ドル円 96.00-103.00円
南ア・ランド円 8.00-8.50円
8月19日週の展望
豪ドルは堅調地合いを維持しそうだ。隣国のニュージーランド(NZ)が利下げに踏み切り、米連邦準備理事会(FRB)も9月の利下げが確実視されている。また、今週発表された英国のインフレ指標が低下するなど、多くの国では利下げ圧力が優勢。一方で、豪州は執拗なインフレに悩まされており、豪準備銀行(RBA)の利下げは程遠い状況。むしろ、利上げ圧力のほうが依然として高い。中銀間の方向性の違いで、豪ドルは対ドル・対NZドルを中心に堅調推移となると予想している。5-6日に行われたRBA理事会では「労働市場は依然としてひっ迫している」との見解が示されたが、今週発表された7月の雇用統計でも常勤雇用者数を中心に新規雇用者数が予想を大幅に上回った。雇用が強いことも豪ドルを支えるだろう。また、多くの国での利下げ圧力は同時に株式市場の支えにもなっている。リスク選好の動きに敏感な豪ドルはその面でも買われやすい。来週は20日にRBA理事会の議事要旨が公表され、21日には7月のウエストパック景気先行指数が発表される。議事要旨が声明文よりも更にタカ派寄りの内容だった場合は、豪ドル買いにつながるだろう。
一方で、NZドルは上値が重くなりそうだ。今週の金融政策委員会(MPC)では、据え置きと利上げ予想が拮抗するなか、NZ準備銀行(RBNZ)は約4年ぶりに0.25%の利下げを決定した。また、MPCでは0.50%の利下げについても話し合いが行われたことが明らかになっている。RBNZのハト派路線がNZドルの重しになりそうだ。なお、NZからは20日に7月貿易収支、ホークスビーRBNZ総裁補の講演が予定され、23日には4-6月期の小売売上高が発表される。
南アフリカ・ランド(ZAR)は神経質な動きになりそうだ。株式市場が堅調地合いをみせていることで、リスク選好の動きがZARを支えている。しかしながら、ウクライナを巡る戦争と悪化する中東情勢がリスク要因として残っている。株高のセンチメントに変化が生じれば、リスク回避に敏感な新興国通貨のZARが急落する可能性には注意しておきたい。
来週の経済指標では21日に7月の消費者物価指数(CPI)が発表される。南ア国内のエネルギー基準価格の引き下げなどもあり、インフレは低下傾向。次回の9月のMPCまではまだ日数があるものの、CPIが引き続き大きく上振れない限りは南アフリカ準備銀行(SARB)の9月利下げ期待が高まることになるだろう。
8月12日週の回顧
豪ドルは小高く推移した。株式市場が堅調だったことや、豪雇用統計が好結果だったことが豪ドル買いを促した。対円では98円後半まで上昇した。ZARも株高が支えになり、対ドルで1カ月ぶりに17ランド台まで、対円では8円前半まで買われた。南アでは、4-6月期失業率は非常に悪い結果だった一方、小売売上高は強かった。停電の停止、ガソリン価格の大幅値下げ、そして国民統一政府(GNU)が左傾化しなかったことへの安心感が小売りの伸びにつながっている。(了)
◆NZドル、再利下げの可能性高く上値が重い
◆ZAR、リスク選好・回避で振り回され上下
予想レンジ
豪ドル円 96.00-103.00円
南ア・ランド円 8.00-8.50円
8月19日週の展望
豪ドルは堅調地合いを維持しそうだ。隣国のニュージーランド(NZ)が利下げに踏み切り、米連邦準備理事会(FRB)も9月の利下げが確実視されている。また、今週発表された英国のインフレ指標が低下するなど、多くの国では利下げ圧力が優勢。一方で、豪州は執拗なインフレに悩まされており、豪準備銀行(RBA)の利下げは程遠い状況。むしろ、利上げ圧力のほうが依然として高い。中銀間の方向性の違いで、豪ドルは対ドル・対NZドルを中心に堅調推移となると予想している。5-6日に行われたRBA理事会では「労働市場は依然としてひっ迫している」との見解が示されたが、今週発表された7月の雇用統計でも常勤雇用者数を中心に新規雇用者数が予想を大幅に上回った。雇用が強いことも豪ドルを支えるだろう。また、多くの国での利下げ圧力は同時に株式市場の支えにもなっている。リスク選好の動きに敏感な豪ドルはその面でも買われやすい。来週は20日にRBA理事会の議事要旨が公表され、21日には7月のウエストパック景気先行指数が発表される。議事要旨が声明文よりも更にタカ派寄りの内容だった場合は、豪ドル買いにつながるだろう。
一方で、NZドルは上値が重くなりそうだ。今週の金融政策委員会(MPC)では、据え置きと利上げ予想が拮抗するなか、NZ準備銀行(RBNZ)は約4年ぶりに0.25%の利下げを決定した。また、MPCでは0.50%の利下げについても話し合いが行われたことが明らかになっている。RBNZのハト派路線がNZドルの重しになりそうだ。なお、NZからは20日に7月貿易収支、ホークスビーRBNZ総裁補の講演が予定され、23日には4-6月期の小売売上高が発表される。
南アフリカ・ランド(ZAR)は神経質な動きになりそうだ。株式市場が堅調地合いをみせていることで、リスク選好の動きがZARを支えている。しかしながら、ウクライナを巡る戦争と悪化する中東情勢がリスク要因として残っている。株高のセンチメントに変化が生じれば、リスク回避に敏感な新興国通貨のZARが急落する可能性には注意しておきたい。
来週の経済指標では21日に7月の消費者物価指数(CPI)が発表される。南ア国内のエネルギー基準価格の引き下げなどもあり、インフレは低下傾向。次回の9月のMPCまではまだ日数があるものの、CPIが引き続き大きく上振れない限りは南アフリカ準備銀行(SARB)の9月利下げ期待が高まることになるだろう。
8月12日週の回顧
豪ドルは小高く推移した。株式市場が堅調だったことや、豪雇用統計が好結果だったことが豪ドル買いを促した。対円では98円後半まで上昇した。ZARも株高が支えになり、対ドルで1カ月ぶりに17ランド台まで、対円では8円前半まで買われた。南アでは、4-6月期失業率は非常に悪い結果だった一方、小売売上高は強かった。停電の停止、ガソリン価格の大幅値下げ、そして国民統一政府(GNU)が左傾化しなかったことへの安心感が小売りの伸びにつながっている。(了)