欧州マーケットダイジェスト・21日 株高・金利低下・ドル安

(21日終値:22日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=145.04円(21日15時時点比▲0.62円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=161.79円(▲0.16円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1155ドル(△0.0037ドル)
FTSE100種総合株価指数:8283.43(前営業日比△10.11)
ドイツ株式指数(DAX):18448.95(△91.43)
10年物英国債利回り:3.891%(▲0.024%)
10年物独国債利回り:2.191%(▲0.024%)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な欧州経済指標)
特になし

(各市場の動き)
・ユーロドルは堅調。米重要指標の発表を控えてしばらくはもみ合いの展開が続いていたが、NYの取引時間帯に入ると強含んだ。米労働省が公表した年次改定では3月までの年間雇用者数の伸びが81.8万人下方修正された。過去15年で最大の修正幅となり、米労働市場が当初考えられていたより鈍化し、その期間も長かったことが示唆された。米長期金利の指標となる米10年債利回りが3.75%台まで低下するとともに全般ドル売りが広がった。
 米連邦準備理事会(FRB)がこの日公表した7月30日-31日分の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨では「大多数の当局者は9月の利下げは適切とみている」「数人の当局者が7月会合で利下げの論拠を指摘」「一部当局者は労働市場のより深刻な悪化のリスクを指摘」との見解が示された。FOMC議事要旨をきっかけにドル売りが加速すると、一時1.1172ドルと昨年7月20日以来約1年1カ月ぶりの高値を更新した。
 なお、米雇用統計の年次改定公表が予定されていた23時を過ぎても発表されなかったことから、仕掛け的なドル買いが入ると一時1.1100ドルと日通し安値を付ける場面があった。市場では「昨年の数字である30.6万人の下方修正と勘違いした向きがドル買いを進めた」との声も聞かれた。

・ドル円は頭が重かった。市場が注目していた米雇用統計の年次改定の公表が遅れたことで仕掛け的なドル買いが先行すると、23時過ぎに一時146.77円まで値を上げたものの、すぐに失速。予定より30分以上遅れて発表された米雇用統計の年次改定の結果が伝わると米利下げ観測が強まり、米金利の低下とともにドル売りが優勢となった。FOMC議事要旨を受けてドル売りが活発化すると一時144.56円と7日以来の安値を付けた。
 主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時100.99と昨年12月28日以来の低水準を付けた。

・ユーロ円は上値が重かった。欧州株相場の上昇を背景に円売り・ユーロ買いが先行。23時過ぎに一時162.92円と日通し高値を付けた。ただ、そのあとは一転売りが優勢となり161.46円付近まで下押しした。ドル円につれた動きとなった。

・ロンドン株式相場は小反発。前日に下落した反動で買い戻しが入ったものの、目先の材料に乏しいこともあって値動きは限られた。カンザスシティー連銀主催の経済シンポジウム「ジャクソンホール会議」でパウエルFRB議長が講演するのを控えて、様子見の投資家も多かった。

・フランクフルト株式相場は反発。前日に下落した反動で買い戻しが入ったものの、新規材料に乏しい中、値動きは限られた。個別ではポルシェ(2.32%高)やBASF(1.87%高)、アディダス(1.54%高)などの上昇が目立った。

・欧州債券相場は上昇。米債高につれた。


(中村)
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