欧州マーケットダイジェスト・23日 株高・金利低下・ドル安

(23日終値:24日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=144.40円(23日15時時点比▲1.28円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=161.62円(▲0.45円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1192ドル(△0.0067ドル)
FTSE100種総合株価指数:8327.78(前営業日比△39.78)
ドイツ株式指数(DAX):18633.10(△139.71)
10年物英国債利回り:3.912%(▲0.048%)
10年物独国債利回り:2.225%(▲0.019%)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な欧州経済指標)
       <発表値>    <前回発表値>
8月仏企業景況感指数
         97        94

※改は改定値を表す。▲はマイナス。

(各市場の動き)
・ユーロドルは堅調。米重要イベントを前にしばらくは1.11ドル台前半でのもみ合いが続いていたが、NYの取引時間帯に入ると強含んだ。パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長はジャクソンホール会議での講演で「政策を調整する時が来た」「インフレ率が2%への軌道にあるとの確信強めた」と述べたほか、「労働市場がこれ以上減速することを歓迎しない」などと発言。市場では「9月17-18日の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げ開始をほぼ明言した」と受け止められ、ドルを売る動きが広がった。2時30分過ぎには一時1.1198ドルと昨年7月20日以来約1年1カ月ぶりの高値を付けた。
 主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時100.66と昨年12月28日以来の低水準を更新した。

・ドル円は一転下落した。米重要イベントを控えてポジション調整目的の買いが先行すると一時146.48円と日通し高値を付けたものの、前日の高値146.53円がレジスタンスとして働くと失速した。パウエルFRB議長の発言を受けてFRBによる9月利下げ転換が改めて意識されると、米長期金利の低下とともに全般ドル売りが活発化。前日の安値144.85円や21日の安値144.46円を下抜けて一時144.35円まで値を下げた。米長期金利の指標となる米10年債利回りは3.78%台まで低下した。
 なお、ボスティック米アトランタ連銀総裁は「利下げを開始する準備が整いつつある」と述べたほか、ハーカー米フィラデルフィア連銀総裁も「金利を引き下げ始める必要がある」との考えを示した。

・ポンドドルは一時1.3230ドルと2022年3月23日以来約2年5カ月ぶりの高値を更新した。パウエルFRB議長の発言をきっかけにドル全面安となった流れに沿った。
 なお、ベイリー英中銀(BOE)総裁はジャクソンホール会議で、英国のインフレについて「慎重ながらも楽観的にみている」としながらも、「勝利を宣言するのは時期尚早」との考えを示した。

・ユーロ円は頭が重かった。23時前に一時162.71円と日通し高値を付けたものの、前日の高値162.91円が目先レジスタンスとして意識されると失速。3時前には161.58円と日通し安値を更新した。ドル円につれた動きとなった。

・ロンドン株式相場は3日続伸。パウエルFRB議長が9月利下げ開始をほぼ明言したことで、リスク資産の株を買う動きが広がった。セグロやランド・セキュリティーズ・グループなど不動産株が買われたほか、グレンコアなど素材株が値上がりした。バークレイズやロイズ・バンキング・グループなど金融株も堅調だった。

・フランクフルト株式相場は3日続伸。パウエルFRB議長が9月利下げ開始を示唆すると、米国株相場が堅調に推移。独株にも買いが波及した。個別ではシーメンス・エナジー(2.71%高)やハイデルベルク・マテリアルズ(1.84%高)、ボノビア(1.83%高)などの上昇が目立ち、ポルシェ(0.74%安)などを除く37銘柄が上昇した。

・欧州債券相場は上昇。米債高につれた。

(中村)
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