株式明日の戦略-米国株高を受けても大幅安、円高への警戒はまだ拭えず

26日の日経平均は3日ぶり大幅反落。終値は254円安の38110円。

 東証プライムの騰落銘柄数は値上がり773/値下がり830。ニトリHD、神戸物産、セリアなど円高がメリットになるとみられている銘柄が大幅上昇。米金利低下を受けて三井不動産や住友不動産など不動産株の動きが良く、米住宅販売に強みを持つ住友林業が4%を超える上昇となった。子会社のグロース市場への上場が承認されたくふうカンパニーが急伸。米国子会社の株価が急騰したジーエヌアイのほか、カバー、タイミー、フリーなどグロース市場の主力銘柄に強い買いが入った。

 一方、米半導体株の上昇を受けても東京エレクトロンやアドバンテストが大きめの下落。トヨタのほか、日産自やマツダなど自動車関連が軒並み安となった。売り出しを発表したヤマハ発動機が5%を超える下落。円高でインバウンド需要が落ち込むとの警戒から三越伊勢丹など百貨店株が嫌われた。米金利低下を受けて三井住友など銀行株が弱く、富山第一銀やコンコルディアなど地銀株に大きく下げるものが多かった。

 日経平均は大幅安。米国株高よりも円高を嫌気して主力銘柄の多くが売りに押された。パウエルFRB議長がジャクソンホール会議で利下げを示唆すること自体は既定路線とみられていたが、発言内容がハト派的と受け止められたことで円高(ドル安)には弾みがついた。145円どころで一服感が出てこなかったため、円高はもうしばらく続く可能性がある。140円を割り込んでしまうと外需企業の業績期待が大きく後退するだけに、注意を要する。

 きょうはグロース250指数が大きく上昇した。米国の長期金利が低下して為替が円高に振れる局面では、大型グロースより中小型グロースの方が選好されやすくなる。現状では大型株が円高に対して神経質になっているだけに、新興グロース株が存在感を見せたことは期待の持てる動き。グロース250指数は高値引けとなり、671.79pまで上昇した。7月18日につけた直近高値の697.56pが射程圏内に入っており、早々にこれを上回ることができるかに注目したい。
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