ロンドン為替見通し=ドル売り一服で落ち着きどころを探る展開か

 本日のロンドン市場では、前週末からのドル売りの流れが一服する中、手掛かり材料に乏しいこともあり、米長期金利を眺めて方向感を模索しつつNY市場を待つ展開となりそうだ。

 前週23日のパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の講演を受け、米9月利下げがほぼ確実視されると共にドル売りが強まると、ユーロドルは1.12ドルの大台に乗せた。しかし、昨日の上伸は1.1202ドルとわずか0.0001ドル高値を更新したに留まった。その後は低下していた米10年債利回りが切り返したこともあり、1.11ドル台半ばまで押し戻された。

 ユーロドルは前週末から週初にかけて1.12ドル台で伸び悩んだこともあり、一旦はドル売りの動きが収束する可能性もありそうだ。その場合は1.11ドル台後半で方向感を模索することも考えられる。下値は、昨日支持となった5日線(本日は1.1150ドル台に位置)を割り込んだとしても、米9月利下げがほぼ既定路線となる中では日足・一目均衡表の転換線1.1076ドル付近はサポートになりやすいとみる。反対に上値は、昨日高値1.1202ドルを超えると、ドル売り再開との見方が浮上して昨年7月高値1.1276ドルを目指すこともあるだろう。

 なお、本日は欧州序盤に4-6月期独国内総生産(GDP、改定値)が発表予定。今回は改定値であるものの、前期比は速報値に続いてマイナス予想となっている。また、同時刻には9月独GFK消費者信頼感調査も発表される。要人発言ではクノット・オランダ中銀総裁が講演予定となっている。7月に「次回利下げは7月ではなく9月の見込み」などと発言しており、トーンに変化がないか見ておきたい。


想定レンジ上限
ユーロドル:1.1276ドル(2023/7/18高値)

想定レンジ下限
ユーロドル:1.1076ドル(日足・一目均衡表の転換線)


(川畑)
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