ロンドン為替見通し=金融イベント多数、それぞれの政策スタンスを見定め

 本日のロンドン為替市場では、複数の中央銀行が公表する金融政策を見定めながらの取引か。欧州前半のノルウェーから始まり、英国とトルコが昼過ぎ、そして欧州午後には南アフリカの政策金利が発表予定。

 ノルウェー中銀は「政策金利4.50%で据え置き」が予想されている。前回声明でも引き締め的な政策継続に言及しており、今回で6会合連続となる据え置きにサプライズはなさそうだ。ただし先週の8月ノルウェー消費者物価指数(CPI、前年比)が、もともと鈍化見込みだったところから更に減速した結果となったため、これまでタカ派的だった声明のトーンが緩む可能性はあるか。

 英中銀(BOE)は昨日まで開いた金融政策委員会(MPC)の結果を公表する。前回8月会合で引き下げた政策金利については、今回は5.00%で据え置きというのが大方の見立て。ただし、昨日発表された8月英CPIのコア指数が前年比で想定以上に加速していたこともあり、議事要旨では利下げ慎重論が目立つかもしれない。

 トルコ中銀もMPCの結果を明らかにし、こちらも主要政策金利は50.00%で据え置きを見込む向きが大半。トルコではディスインフレが始まってはいるものの、足もとのインフレ率は依然として50%を超えた水準だ。アルゼンチンンを除くG20諸国のなかでは圧倒的に高いインフレ率を抑え込むため、タカ派スタンスの維持が絶対となる。

 上記3行と違い、南アフリカ準備銀行(SARB、中央銀行)は政策金利を現行8.25%から8.00%に引き下げ予想。南アのインフレ低下基調が確認されたため、少数派ではあるが「利下げ幅、0.50%まで拡大」との見方も浮上しているもおう。いずれにせよ金融緩和へ転換は確実であり、今後は利下げのペースに注目が集まる。

 他、複数人の欧州金融当局者による講演も予定されている。オランダやイタリア、ドイツの中銀総裁、そしてシュナーベル欧州中央銀行(ECB)専務理事の発言などにも耳を傾ける必要があるだろう。

想定レンジ上限
・ポンドドル、今週レンジの上値から38.2%押した水準1.3230ドル
・ユーロドル、昨日高値1.1189ドル

想定レンジ下限
・ポンドドル、日足一目均衡表・基準線1.3049ドル
・ユーロドル、11日安値1.1002ドル

(小針)
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