東京外国為替市場概況・17時 ドル円 上昇

 20日午後の東京外国為替市場でドル円は上昇。17時時点では143.63円と15時時点(142.26円)と比べて1円37銭程度のドル高水準だった。植田日銀総裁の会見への警戒感で売りが先行し、141.74円まで下押した。ただ、同氏の会見内容が伝わるなか徐々に円売りが優勢となり、143.70円まで大きく上値を伸ばした。ナイト・セッションの日経平均先物は大証終値比600円超高まで急上昇した。
 植田日銀総裁は、「実質金利は極めて低い水準にある」「経済・物価見通しが実現していけば政策金利を引き上げ、金融緩和度合いを調整していくことになる」と発言した一方で、「為替の動向や物価上振れリスクが相応に減少していることで時間的に余裕がある」とし、「今年2回の利上げの影響を踏まえつつ、徐々に中立金利への認識を深めていく段階」「ある程度まとまった情報が得られたと判断した段階で利上げとならざるを得ない」「直ちに見通しの確度高まり、すぐ利上げとはならない」と述べ、追加利上げに慎重姿勢も示した。

 ユーロ円も強含み。17時時点では160.33円と15時時点(158.83円)と比べて1円50銭程度のユーロ高水準だった。ドル円同様の動きで158.43円まで下押し後、植田日銀総裁の会見を受けた円売りで4日以来の160円大台を回復し160.43円までレンジ上限を広げた。また、ポンド円は191.35円、豪ドル円は97.93円、NZドル円は89.69円まで高値を更新した。
 
 ユーロドルは小動き。17時時点では1.1162ドルと15時時点(1.1165ドル)と比べて0.0003ドル程度のユーロ安水準だった。欧州通貨のポンドが対ドルで上昇した動きも支えに1.1182ドルまで上値を伸ばしたが、対円で大きくドル高に傾いた動きも重しに1.1160ドル台に押し戻され、小幅の上下にとどまっている。ポンドドルは予想比上振れの8月英小売売上高を受けた買いが継続し、1.3340ドルまで2022年3月以来の高値を更新した。

本日これまでの参考レンジ
ドル円:141.74円 - 143.70円
ユーロドル:1.1157ドル - 1.1182ドル
ユーロ円:158.43円 - 160.43円

(金)
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