欧州マーケットダイジェスト・27日 独株最高値・金利低下・円全面高

(27日終値:28日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=142.32円(27日15時時点比▲3.93円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=158.88円(▲4.38円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1164ドル(横ばい)
FTSE100種総合株価指数:8320.76(前営業日比△35.85)
ドイツ株式指数(DAX):19473.63(△235.27)
10年物英国債利回り:3.977%(▲0.033%)
10年物独国債利回り:2.133%(▲0.050%)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な欧州経済指標)
       <発表値>    <前回発表値>
9月仏消費者物価指数(CPI)速報値
(前月比)  ▲1.2%       0.5%
(前年比)   1.2%       1.8%
8月仏卸売物価指数(PPI)
(前月比)   0.2%      0.3%・改
8月仏消費支出
(前月比)   0.2%      0.2%・改
9月独雇用統計
失業率     6.0%       6.0%
失業者数変化 1.70万人    0.40万人・改
9月ユーロ圏消費者信頼感指数
(確定値)  ▲12.9      ▲12.9
9月ユーロ圏経済信頼感指数
        96.2      96.5・改

※改は改定値を表す。▲はマイナス。

(各市場の動き)
・ドル円は大幅安。自民党総裁選で石破茂元幹事長が勝利したことを背景に円高が急速に進んだアジア市場の流れを引き継いだ。市場では「石破氏の勝利が日銀による追加利上げの道を開いた」との声が聞かれたほか、「自民党総裁選で日銀の利上げに批判的な高市早苗氏が勝利するとの思惑から膨らんでいた円売り・ドル買いの持ち高を解消する動きが広がった」との指摘があった。
 NYの取引時間帯に入り、米商務省が発表した8月米個人消費支出(PCE)価格指数(デフレーター)が前年比2.2%と予想の2.3%を下回り、変動が激しい食品とエネルギーを除くコアデフレーターも前月比で予想を下回ったことが分かると、米長期金利の低下とともにドル売りが活発化。2時30分前に一時142.29円と20日以来の安値を付けた。
 なお、石破茂自民党新総裁がテレビ番組で「政府と日銀は緊密に協力すべき、金融政策に関して日銀に要請はしない」「緩和的な金融政策の方針は変わらない」と述べたと伝わると、日経平均先物の下げ渋りとともに143.08円付近まで買い戻されたが、反応は一時的だった。ナイト・セッションの日経平均先物も3時頃に大証終値比2250円安の3万7600円まで値を下げた。

・ユーロドルは一進一退。フランスとスペインの9月消費者物価指数(CPI)速報値が予想より弱い内容だったことが分かると、欧州中央銀行(ECB)が追加利下げに動きやすくなるとの見方が広がり、全般ユーロ売りが先行。日本時間夕刻に一時1.1125ドルと日通し安値を更新した。ただ、そのあとは米重要指標の発表を前にポジション調整目的の買いが入り、下げ渋った。
 NY市場に入り、米PCEデフレーターの結果が「米インフレの落ち着きを示した」と受け止められるとユーロ買い・ドル売りが加速。22時過ぎに一時1.1203ドルと日通し高値を付けた。
 もっとも、25日の高値1.1214ドルが目先レジスタンスとして意識されると上値が重くなった。ユーロ円やユーロスイスフランなどユーロクロスの下落につれた売りが出ると、一時1.1146ドル付近まで下押しした。

・ユーロ円は急落。自民党総裁選での石破氏勝利を受けて、日銀の追加利上げ観測が再燃すると全般円買いが進行。海外市場でも円が買われやすい地合いとなった。日本時間夕刻に付けた安値159.03円を下抜けて、1時30分過ぎに158.78円まで値を下げた。

・ロンドン株式相場は続伸。前日の米国株相場や本日のアジア株相場が上昇したことで投資家心理が上向き、買いが優勢となった。ハルマやセイジ・グループなど情報技術セクターが買われたほか、BPやシェルなどエネルギー株が値上がりした。

・フランクフルト株式相場は続伸し、史上最高値を更新した。前日の米国株や本日の日本や中国などアジアの主要株価指数が堅調に推移すると、投資家心理が強気に傾き独株にも買いが集まった。個別ではブレンターク(6.94%高)やインフィニオン・テクノロジーズ(6.72%高)、BASF(6.59%高)などの上昇が目立った。

・欧州債券相場は上昇。フランスとスペインの物価指標を受けて、ECBが追加利下げに動きやすくなるとの観測が高まると独国債が買われた。

(中村)
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