欧州マーケットダイジェスト・26日 株高・金利上昇・ユーロ底堅い

(26日終値:27日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=144.71円(26日15時時点比▲0.02円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=161.79円(△0.43円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1180ドル(△0.0031ドル)
FTSE100種総合株価指数:8284.91(前営業日比△16.21)
ドイツ株式指数(DAX):19238.36(△319.86)
10年物英国債利回り:4.010%(△0.020%)
10年物独国債利回り:2.183%(△0.008%)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な欧州経済指標)
       <発表値>    <前回発表値>
10月独消費者信頼感指数(Gfk調査)
        ▲21.2     ▲21.9・改
スイス国立銀行(SNB、中央銀行)政策金利
      1.00%に引き下げ   1.25%

※改は改定値を表す。▲はマイナス。

(各市場の動き)
・ユーロドルは底堅い動き。日本時間夕刻に一時1.1126ドルと日通し安値を付けたものの、前日の安値1.1122ドルが目先サポートとして働くと買い戻しが優勢に。今週に入って中国で景気浮揚策の発表が相次ぎ、投資家心理が楽観に傾く中、欧米株高に伴うリスク・オンのユーロ買い・ドル売りも出た。
 NY市場では、前週分の新規失業保険申請件数や8月米耐久財受注額などが予想より強い内容だったことで、米長期金利が上昇。全般ドル買いが優勢になると、再び1.1126ドルまで下押しした。ただ、そのあとは株高を背景にユーロ買い・ドル売りが進んだ。月末・四半期末が近づく中、ロンドン16時(日本時間24時)のフィキシングに絡んだドル売りのフローが観測されると一時1.1189ドルと日通し高値を更新した。

・ドル円は一進一退。日本時間夕刻に一時145.20円付近まで値を上げたものの、米10年債利回りが3.75%台へ低下した局面では円買い・ドル売りが優勢となり一時144.11円と日通し安値を更新した。
 ただ、米経済指標が強い内容だったことが伝わると、米10年債利回りが3.81%台まで上昇。米金利上昇に伴う円売り・ドル買いが出て一時145.21円と4日以来の高値を付けた。欧米株価の上昇を背景にリスク・オンの円売りも出た。
 もっとも、ロンドン・フィキシングに絡んだドル売りのフローが観測されると144.54円付近まで下押しした。

・ユーロ円は下値が堅かった。21時過ぎに一時160.75円と本日安値を付けたものの、欧米株高を背景に投資家のリスク志向が改善すると円売り・ユーロ買いが優勢となった。日本時間夕刻に付けた高値161.85円を上抜けて、1時過ぎには161.91円と3日以来の高値を付けた。

・スイスフランはしっかり。スイス国立銀行(中央銀行、SNB)この日、政策金利を現行の1.25%から1.00%へ引き下げることを決めたと発表。声明では2024年から26年のインフレ率予測を下方修正したうえで、「中期的な物価安定を確保するため、今後数四半期で政策金利のさらなる引き下げが必要になる可能性がある」との見解を示した。
 0.25%の利下げは市場の大方の予想通りだったが、一部では利下げ幅が0.50%になるとの思惑もあり、政策金利の発表後にはスイスフラン買いが増えた。対ドルで0.8456フラン、対ユーロでは0.9438フランまでフラン高が進む場面があった。

・ロンドン株式相場は小反発。アジアの主要株価指数が総じて上昇した流れを引き継ぎ、英株にも買いが先行した。ただ、買い一巡後は徐々に上値が重くなり、下げに転じる場面もあった。リオ・ティントやアングロ・アメリカンなど素材株が買われたほか、HSBCやバークレイズなど金融株が値上がりした。半面、原油先物価格の大幅下落を背景にBPやシェルなどエネルギー株が売られ、相場の重しとなった。

・フランクフルト株式相場は反発し、史上最高値を更新した。日本や中国などアジアの主要株価指数が堅調に推移すると、投資家心理が強気に傾き独株にも買いが集まった。個別ではザルトリウス(8.14%高)やコメルツ銀行(6.90%高)、シーメンス(5.33%高)などの上昇が目立った。

・欧州債券相場は下落した。

(中村)
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