ニューヨーク外国為替市場概況・1日 ドル円、小幅反落

 1日のニューヨーク外国為替市場でドル円は小幅ながら反落。終値は143.57円と前営業日NY終値(143.63円)と比べて6銭程度のドル安水準だった。石破茂首相が1日夜、首相就任後初めての記者会見で「デフレ脱却の実現に向けて金融緩和の基本的な基調は維持されるべき」との考えを表明すると、円売り・ドル買いが先行。22時過ぎに一時144.07円付近まで値を上げた。
 ただ、「イランはイスラエルへの弾道ミサイル攻撃を準備している」との報道が伝わると、中東の地政学リスクが意識されて米国株相場が軟調に推移。米長期金利も大幅に低下し、為替市場ではリスク回避の円買いが広がった。23時過ぎは一時142.98円と日通し安値を付けた。
 もっとも、そのあとは143円台半ばから後半でのもみ合いに終始した。イランがイスラエルに向けてミサイルを発射したことが伝わると売りが出たものの、イランのミサイル攻撃が完了したことが分かるとリスク回避の動きはいったん収まった。
 なお、イランがイスラエルを直接攻撃するのは4月以来で、市場では「イスラエルの反発は必至とみられ、中東の緊迫度合いを一段と高めた」との声が聞かれた。

 ユーロドルは3日続落。終値は1.1068ドルと前営業日NY終値(1.1135ドル)と比べて0.0067ドル程度のユーロ安水準だった。前日のラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁に続き、レーン・フィンランド中銀総裁が「10月会合での利下げの根拠は増した」と述べ、追加利下げに含みを持たせたことから、NY市場でもユーロ売りが出やすかった。中東情勢の緊迫化を背景にリスク・オフのユーロ売り・ドル買いが強まると、2時30分前に一時1.1046ドルと日通し安値を付けた。
 なお、本日発表の米経済指標は9月米ISM製造業景況指数が予想を下回った一方、8月米雇用動態調査(JOLTS)求人件数が予想を上回るなど、強弱入り混じる結果となった。

 ユーロ円は反落。終値は158.90円と前営業日NY終値(159.94円)と比べて1円04銭程度のユーロ安水準。ECBの追加利下げ観測から全般ユーロ売りが先行。ダウ平均が一時380ドル超下落したほか、ナイト・セッションの日経平均先物が大証終値比1170円安の3万7600円まで急落するとリスク・オフの円買いが活発化した。2時30分前に一時158.38円と本日安値を更新した。

本日の参考レンジ
ドル円:142.98円 - 144.53円
ユーロドル:1.1046ドル - 1.1144ドル
ユーロ円:158.38円 - 160.91円

(中村)
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