ロンドン為替見通し=中東情勢に警戒しつつ、ECB高官やBOE高官の発言に要注目か

 本日のロンドン為替市場のユーロドルは、中東の地政学リスクに警戒しながら、複数の欧州中央銀行(ECB)高官の発言から10月17日のECB理事会での追加利下げの可能性を探る展開となる。

 9月のユーロ圏消費者物価指数(HICP)が前年比+1.8%まで低下していることで、17日のECB理事会での追加利下げの可能性が高まっている。

 本日は、ビルロワドガロー仏中銀総裁、シムカス・リトアニア中銀総裁、カザークス・ラトビア中銀総裁、ミューラー・エストニア中銀総裁、センテノ・ポルトガル中銀総裁、エスクリバ・スペイン中銀総裁、デギンドスECB副総裁の講演から、利下げへの言及に注目しておきたい。

 ユーロドルのテクニカル分析では、ネック・ライン1.1002ドルを割り込めばダブル・トップ(1.1202ドル・1.1214ドル)が完成して、1.0800ドル付近までの下落が想定できることで、注視しておきたい。

 ポンドドルは、8月1日のイングランド銀行金融政策委員会(MPC)での利下げに反対したタカ派のピルMPC委員兼チーフエコノミストの講演で、昨日のガーディアン紙の記事「ベイリー英中銀総裁、より積極的な利下げの可能性を指摘」への見解に注目しておきたい。

 また、中東の地政学リスクに関しては、イスラエルが「数日内にイランに報復攻撃」と報じられていることで、昨年ハマスが奇襲攻撃を断行した「10月7日」を念頭に警戒しておきたい。
 イスラエルがイランの核関連・石油関連施設などに報復攻撃を加えて全面的な軍事対決に踏み切った場合、最悪のシナリオとして第5次中東戦争、ホルムズ海峡(日量2000万バレル超の原油が通過)封鎖の可能性が高まることになる。
 そして、米国が支援するウクライナとイスラエル、イランの背後のロシアというかつての冷戦時代の構図から、さらなる地政学リスクの高まりに警戒せざるをえなくなる。

想定レンジ上限
・ユーロドル:1.1111ドル(日足一目均衡表・転換線)
・ユーロ円:163.49円(9/27高値)
・ポンドドル:1.3263ドル(日足一目均衡表・転換線)
・ポンド円:194.11円(日足一目均衡表・雲の上限)

想定レンジ下限
・ユーロドル:1.0934ドル(日足一目均衡表・雲の下限)
・ユーロ円:160.80円(日足一目均衡表・転換線)
・ポンドドル:1.3043ドル(日足一目均衡表・雲の上限)
・ポンド円:190.14円(日足一目均衡表・雲の下限)


(山下)
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