週間為替展望(豪ドル/ZAR)- NZドル、RBNZの金融政策に注目

◆豪ドル、RBA議事要旨で中銀の姿勢を再確認
◆NZドル、RBNZの金融政策に注目
◆NZドル、市場では年内100bpの利下げ予想も

予想レンジ
豪ドル円 98.00-103.00円
南ア・ランド円 8.10-8.60円

10月7日週の展望
 豪ドルは神経質な展開となりそうだ。前週末から自民党総裁選での波乱の決着や石破新政権による日銀の追加利上げに対する見解、中東情勢を巡る地政学リスクなどが意識されて、豪ドルは対ドル・対円で上下に振らされた。特に対ドルでは豪ドルの買い基調に一服感も見られており、改めて豪ドル相場の方向性を確認する必要があるだろう。10日には市場の注目を集める9月米消費者物価指数(CPI)の発表が控えており、対ドルを中心とした豪ドルの推移を見極めたい。

 また、豪州では8日に公表される豪準備銀行(RBA)理事会議事要旨(9月23-24日開催分)に注目。同理事会では政策金利が予想通り4.35%で据え置かれ、声明文でもタカ派的な内容が維持された一方、その後の会見でブロックRBA総裁は「前回までと違って利上げを検討しなかった」ことを明らかにした。市場ではRBAの利下げは早くても来年前半と想定しており、こうした見方を変化させるような材料となる可能性は低いと思われるが、利上げの検討がされなかった背景などの細かな差異を確認しておく必要はあるだろう。その他では8日に10月ウエストパック消費者信頼感指数や9月NAB企業景況感指数などが予定されているが、こちらは相場に対する影響も限られそうだ。

 隣国のNZでは9日にNZ準備銀行(RBNZ)の金融政策公表が予定されている。今週に入って複数の金融機関が50bpの利下げを予想しているとのレポートを発表。さらにRBNZの会合スケジュール上、11月から2月まで日程が空くことを考慮して10月・11月の両会合で50bpの利下げを行うといった予想も一部では台頭している。RBNZの利下げペースを巡って様々な思惑が広がるなか、金融政策の結果公表後は荒い値動きとなる可能性も高いため注意が必要となるだろう。

 南アフリカ・ランド(ZAR)は上値の重い動きとなりそうだ。来週は南アフリカから主だった経済指標の発表などが予定されておらず、豪ドルと同様に米CPIを受けたドル相場など、外部要因に左右されるだろう。

 なお、南アフリカでは国営電力会社エスコムの値上げ申請を巡って政府との対立が深まっている。エスコムはコスト増に対応するため、2025年度に36%の電気料金引き上げを申請。これに対して政府は介入する姿勢を示した。これまで同国経済の大きな重しとなってきたエスコムの計画停電は過去6カ月間ほど実施されていないが、今度は電気料金の引き上げによる消費者の負担増が経済を圧迫しかねない要因として意識されているようだ。

9月30日週の回顧
 豪ドルは対円でしっかり。石破首相が日銀の追加利上げに慎重な姿勢を示したこともあり、全般に円売りが進んだ流れに沿って一時101円台まで上値を伸ばした。ZARも対円では下値の堅い動き。ただ、対ドルでは節目の17ZAR手前で上値の重さを確認したこともあり、その後はややZAR売りが進んだ。(了)
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