ニューヨーク外国為替市場概況・9日 ドル円、続伸

 9日のニューヨーク外国為替市場でドル円は続伸。終値は149.31円と前営業日NY終値(148.20円)と比べて1円11銭程度のドル高水準だった。米利下げペースが緩やかになるとの見方が広がる中、米長期金利の指標となる米10年債利回りが一時4.0765%前後と7月31日以来の高水準を記録すると円売り・ドル買いが先行。中国の財政政策に対する期待感や米国株高を背景に投資家のリスク志向が改善すると円売り・ドル買いが活発化し、7日の高値149.13円を上抜けて一時149.36円と8月15日以来の高値を更新した。
 なお、米連邦準備理事会(FRB)が公表した9月17日-18日分の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨では「大多数の当局者が0.50%の利下げを支持」「一部の当局者が0.25%の利下げを支持した」ことが分かった。会合ではボウマンFRB理事が0.25%の利下げを主張し反対票を投じたものの、慎重な意見は1人だけでなく複数の参加者からあがっていたことが明らかになった。

 ユーロドルは3営業日ぶりに反落。終値は1.0939ドルと前営業日NY終値(1.0980ドル)と比べて0.0041ドル程度のユーロ安水準だった。ユーロ圏景気への懸念から、欧州中央銀行(ECB)が17日の定例理事会で追加利下げを決めるとの観測が引き続きユーロの重し。米長期金利の上昇を背景にドル買いが優勢になると、3時過ぎに一時1.0936ドルと8月13日以来の安値を更新した。
 なお、ローガン米ダラス連銀総裁はこの日、「インフレの上振れリスクが依然現実的で経済見通しを巡りかなりの不確実性がある中、今後はより緩やかな利下げが適切」との見解を示したと伝わった。

 ユーロ円は続伸。終値は163.31円と前営業日NY終値(162.72円)と比べて59銭程度のユーロ高水準。ドル円の上昇につれた買いが入ったほか、米国株高を背景にリスク・オンの円売り・ユーロ買いが出た。1時前には163.46円と日通し高値を更新した。

本日の参考レンジ
ドル円:148.01円 - 149.36円
ユーロドル:1.0936ドル - 1.0981ドル
ユーロ円:162.39円 - 163.46円

(中村)
株式会社DZHフィナンシャルリサーチより提供している情報(以下「情報」といいます。)は、 情報提供を目的とするものであり、特定通貨の売買や、投資判断ならびに外国為替証拠金取引その他金融商品の投資勧誘を目的としたものではありません。 投資に関する最終決定はあくまでお客様ご自身の判断と責任において行ってください。情報の内容につきましては、弊社が正確性、確実性を保証するものではありません。 また、予告なしに内容を変更することがありますのでご注意ください。 商用目的で情報の内容を第三者へ提供、再配信を行うこと、独自に加工すること、複写もしくは加工したものを第三者に譲渡または使用させることは出来ません。 情報の内容によって生じた如何なる損害についても、弊社は一切の責任を負いません。