ニューヨーク外国為替市場概況・10日 ドル円、3日ぶり反落

 10日のニューヨーク外国為替市場でドル円は3営業日ぶりに反落。終値は148.57円と前営業日NY終値(149.31円)と比べて74銭程度のドル安水準だった。この日発表の米経済指標の結果が伝わると、売買が交錯し上下に大きく振れる場面があった。9月米消費者物価指数(CPI)が予想を上回ると全般ドル買いが先行し一時149.53円付近まで値を上げたものの、アジア時間に日通し高値149.55円が目先レジスタンスとして働くと失速。前週分の米新規失業保険申請件数が予想より弱い内容だったことが意識され、一時148.30円と日通し安値を付けた。
 そのあとも方向感に乏しい展開が続いた。グールズビー米シカゴ連銀総裁は米CPIが予想を上回ったことについて「過度に懸念していない」と話したほか、ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁は「インフレ圧力の緩和が続く中、米連邦準備理事会(FRB)は一段の利下げを実施していくと予想される」などと発言。市場関係者からは「CPI予想上振れもFRBによる追加利下げを阻むほどではない」「総合、コアともに伸びは依然として減速傾向にあり、最新の数字はこのトレンドを否定するものではない」との声が聞かれる中、引けにかけては米長期金利の低下とともに上値が重くなった。
 一方、ボスティック米アトランタ連銀総裁は「最新のインフレ、労働市場データにより、FRBは忍耐強くなれる」「11月の金利据え置きについて、私は間違いなくオープン」「今年の利下げをスキップしても全く問題ない」と述べ、11月金利据え置きの可能性を示唆。2時過ぎに一時149.08円付近まで強含む場面があった。

 ユーロドルは小幅ながら続落。終値は1.0934ドルと前営業日NY終値(1.0939ドル)と比べて0.0005ドル程度のユーロ安水準だった。本日発表の米経済指標が強弱入り混じる内容だったことから売買が交錯。相場は方向感が出なかった。
 NY午後に入り、ボスティック米アトランタ連銀総裁が11月金利据え置きの可能性を示唆したと伝わると、米長期金利の指標となる米10年債利回りが一時4.1158%前後と7月31日以来の高水準を記録。米金利上昇に伴うユーロ売り・ドル買いが出て一時1.0900ドルと8月8日以来約2カ月ぶりの安値を更新した。
 ただ、米10年債利回りが低下に転じると買い戻しが優勢となり、1.0938ドル付近まで下げ渋った。

 ユーロ円は3日ぶりに反落。終値は162.46円と前営業日NY終値(163.31円)と比べて85銭程度のユーロ安水準。アジア時間に一時163.61円と日通し高値を付けたあとは、欧米株安を受けて円買い・ユーロ売りが進んだ。1時30分過ぎには162.18円と日通し安値を更新した。

本日の参考レンジ
ドル円:148.30円 - 149.55円
ユーロドル:1.0900ドル - 1.0955ドル
ユーロ円:162.18円 - 163.61円

(中村)
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