ロンドン為替見通し=英経済指標をまず確認、中東情勢への警戒感は高まったまま

 本日のロンドン為替市場では、まずは欧州朝に発表される英経済指標でポンドの動意を見定め。方向性が明確にでるようだと、他通貨への影響も出てくるだろう。その後は依然として出口が見えないイスラエルを巡る中東情勢を警戒しながら、市場全般のリスクセンチメントの強弱に振らされる展開か。

 英国からは8月分の国内総生産(GDP)や鉱工業生産などの結果が明らかにされる。ユーロ圏と比べると同国経済は底堅いとされており、足もとの景気動向でその勢いを確かめることになるだろう。前回は前月比で横ばいだったGDPは小幅プラスに改善予想。7月に弱かった鉱工業生産も前月比がプラスに持ち直し、前年比はマイナス幅縮小が見込みだ。

 昨日弱含んだポンドドルは、日足一目均衡表・雲の中では下げ渋った。しかしながら、雲の上限が1.30ドル台でやや下向きであり、本日の結果がさえないようだと下値余地を探る展開もあるか。ユーロポンドの一目・転換線と21日移動平均線が並ぶ0.8373ポンドを巡る攻防にも注目したい。

 イスラエルでは10日夜、先週イランから受けたミサイル攻撃への報復措置について政府高官が協議したもよう。9日にバイデン米大統領がネタニヤフ・イスラエル首相と電話会談したものの、イスラエルを自制させるほどの影響力は今の米大統領にはないようだ。報復攻撃がイランのどの地域に行われるか次第で、状勢が更に悪化する可能性は十分にあり得る。

 ところでフランス政府は昨日、2025年度の予算案を公表した。600億ユーロ超の収支改善策は、約3分2が歳出削減でカバーし、残りは大企業と富裕層の税負担増、そしてエネルギーへの増税で賄うもよう。財政赤字は縮小するものの、景気拡大にブレーキがかけられる可能性もある。今後のユーロ相場に何らかの影響は与えそうだ。

想定レンジ上限
・ポンドドル、7日高値1.3134ドル
・ユーロドル、8日高値1.0997ドル

想定レンジ下限
・ポンドドル、90日移動平均線1.2965ドル
・ユーロドル、200日移動平均線1.0874ドル


(小針)
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