欧州マーケットダイジェスト・11日 株高・円安・ポンド高

(11日終値:12日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=149.03円(11日15時時点比△0.33円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=163.09円(△0.49円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0943ドル(△0.0008ドル)
FTSE100種総合株価指数:8253.65(前営業日比△15.92)
ドイツ株式指数(DAX):19373.83(△162.93)
10年物英国債利回り:4.207%(▲0.003%)
10年物独国債利回り:2.265%(△0.009%)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な欧州経済指標)
       <発表値>    <前回発表値>
9月独消費者物価指数(CPI)改定値
(前月比)    0.0%      0.0%
(前年同月比)  1.6%      1.6%
8月英国内総生産(GDP)
(前月比)    0.2%      0.0%
8月英鉱工業生産
(前月比)    0.5%     ▲0.7%・改
(前年同月比) ▲1.6%     ▲2.2%・改
8月英製造業生産指数
(前月比)    1.1%     ▲1.2%・改
8月英商品貿易収支
   150.60億ポンドの赤字 188.71億ポンドの赤字・改
8月英貿易収支
    9.55億ポンドの赤字 47.12億ポンドの赤字・改

※改は改定値を表す。▲はマイナス。

(各市場の動き)
・ドル円は強含み。米長期金利の高止まりなどを手掛かりに円売り・ドル買いが先行。欧州株や米国株相場の上昇も相場の支援材料となった。前日のボスティック米アトランタ連銀総裁のタカ派的な発言を受けて付けたNY午後の高値149.08円を上抜けると、一時本日高値となる149.28円まで値を上げた。ただ、9月米消費者物価指数(CPI)発表直後に付けた149.53円やその日の高値149.55円には届かなかった。
 なお、米労働省が発表した9月米卸売物価指数(PPI)は前月比で予想を下回った一方、前年比で予想を上回った。食品とエネルギーを除くコア指数は前月比が市場予想と一致し、前年比が予想を上回った。また、10月米ミシガン大学消費者態度指数速報値は予想を下回った一方、同時に発表された1年先の期待インフレ率は予想を上回るなど、本日発表の米経済指標はまちまちの内容となった。
 市場では「インフレ見通しは引き続き良好で、米連邦準備理事会(FRB)が11月も利下げを継続するという見方を支えた」との声が聞かれた。CMEグループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」によると、11月6-7日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で0.25%の利下げを予想する確率は前日の83.3%から88.0%に上昇し、据え置きの確率は16.7%から12.0%に低下した。

・ポンドは堅調だった。ポンドドルは一時1.3083ドル、ポンド円は195.24円まで値を上げたほか、ユーロポンドは0.8364ポンドまで値を下げた。8月英国内総生産(GDP)が前月比0.2%増と市場予想と一致し、3カ月ぶりのプラスとなったことが好感された。

・ユーロドルは下値が堅かった。日本時間夕刻に一時1.0954ドルと日通し高値を付けたものの、前日の高値1.0955ドルがレジスタンスとして意識されると失速。米長期金利の上昇に伴うユーロ売り・ドル買いが出ると、22時前に一時1.0926ドル付近まで下押しした。
 ただ、オセアニア時間に付けた日通し安値1.0923ドルが目先サポートとして働くと買い戻しが優勢に。欧米株高に伴うリスク・オンのユーロ買い・ドル売りが入ると1.0952ドル付近まで持ち直している。

・ユーロ円は底堅い。欧米株価の上昇を背景に投資家のリスク志向が改善すると円売り・ユーロ買いが優勢となった。23時30分過ぎに一時163.41円と本日高値を付けた。ただ、前日の高値163.61円が目先レジスタンスとして働くと伸び悩んだ。

・ロンドン株式相場は小反発。続落して始まったものの、売り一巡後は買い戻しが優勢となり上げに転じた。米国株相場の上昇などが相場の支援材料。コンパス・グループやネクストなど一般消費財サービスが買われたほか、セグロやランド・セキュリティーズ・グループなど不動産株が値上がりした。半面、グラクソスミスクラインなど医薬品株の一角に売りが出た。

・フランクフルト株式相場は反発。しばらくは前日終値付近でのもみ合いが続いていたが、米国株相場の上昇をきっかけに独株にも買いが入ると引けにかけて上値を伸ばした。個別ではエアバス(3.93%高)やシーメンス・エナジー(3.29%高)、ポルシェ(2.31%高)などの上昇が目立った。

・欧州債券相場は英国債が上昇した一方、独国債が下落した。

(中村)
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