欧州マーケットダイジェスト・17日 独株最高値・金利上昇・ドル高
(17日終値:18日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=150.25円(17日15時時点比△0.73円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=162.65円(△0.36円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0826ドル(▲0.0027ドル)
FTSE100種総合株価指数:8385.13(前営業日比△56.06)
ドイツ株式指数(DAX):19583.39(△150.58)
10年物英国債利回り:4.089%(△0.025%)
10年物独国債利回り:2.208%(△0.024%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
9月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)改定値
(前年比) 1.7% 1.8%
9月ユーロ圏HICPコア改定値
(前年比) 2.7% 2.7%
8月ユーロ圏貿易収支
(季調済) 110億ユーロの黒字 137億ユーロの黒字・改
(季調前) 46億ユーロの黒字 212億ユーロの黒字
欧州中央銀行(ECB)、政策金利
3.40%に引き下げ 3.65%
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ユーロドルは頭が重かった。欧州中央銀行(ECB)はこの日開いた定例理事会で、市場予想通り政策金利を0.25%引き下げることを決めたと発表。声明では「インフレ鈍化は順調に進んでいる」との認識を示したうえで「物価見通しは最近の経済指標の下振れにも影響を受ける」と指摘した。また、今後の動きについては「データに基づいて会合ごとに決定を下す」との見解を改めて表明し、利下げペースはデータ次第との説明を維持した。結果公表直後はユーロ買い・ドル売りで反応し、一時1.0874ドルと日通し高値を付けた。
ただ、200日移動平均線が位置する1.0873ドルがレジスタンスとして意識されると失速した。ラガルドECB総裁が理事会後の記者会見で「経済は予想よりもやや弱い」「成長に対するリスクは下振れ方向」「インフレのリスクは恐らく上方向ではなく、やや下方向」との見解を示したこともユーロ売りを誘った。市場では「ユーロ圏でインフレ鈍化が進んでいることを踏まえ、ECBが12月に追加利下げを決めるとの観測が出ている」との声が聞かれ、一時1.0811ドルと8月2日以来の安値を更新した。
なお、ECB関係者の話として「12月にさらなる利下げを行う可能性が極めて高い」との報道が伝わった。
・ドル円は底堅い動き。独DAXが史上最高値を更新するなど、欧州株相場が堅調に推移すると円売り・ドル買いが先行し、一時149.87円まで値を上げた。14日高値の149.98円や節目の150.00円を前にいったんは149.47円付近まで伸び悩む場面も見られたが、NY時間発表の米経済指標が軒並み予想を上回ると再び強含んだ。
この日発表された9月米小売売上高や10月米フィラデルフィア連銀製造業景気指数、前週分の米新規失業保険申請件数、10月米NAHB住宅市場指数は予想よりも強い内容だった。米経済の底堅さが改めて意識されると、米長期金利の上昇とともに全般ドル買いが活発化し、1時30分前に150.30円と8月1日以来約2カ月半ぶりの高値を更新した。
・ユーロ円は下値が堅かった。21時30分過ぎに一時162.72円まで値を上げたものの、ECB総裁の発言が伝わると一転下落し161.85円と日通し安値を更新。ただ、売り一巡後は再び買いが優勢となり、1時過ぎには162.76円と日通し高値を付けた。ドル円の上昇につれた買いが相場を下支えした。
・ロンドン株式相場は続伸し、5月21日以来約5カ月ぶりの高値で取引を終えた。前日の英インフレ指標の鈍化を受けて、英中銀(BOE)が利下げを進めやすくなるとの見方が広がる中、この日も買いが続いた。HSBCやバークレイズなど金融株が買われたほか、レレックスやロールス・ロイス・ホールディングスなど資本財サービス株が値上がりした。BPやシェルなどエネルギー株も堅調だった。
・フランクフルト株式相場は3日ぶりに反発し、史上最高値を更新した。ECB定例理事会の結果公表を前にしばらくはもみ合いの展開が続いていたが、結果が伝わると強含んだ。良好な米経済指標が相次いだことも投資家心理の改善につながった。個別ではザルトリウス(16.45%高)やメルク(7.56%高)、シーメンス・エナジー(4.20%高)などの上昇が目立った。
・欧州債券相場は下落。良好な米経済指標が相次いだことを受けて、米国債が下落すると独国債にも売りが波及した。
(中村)
ドル・円相場:1ドル=150.25円(17日15時時点比△0.73円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=162.65円(△0.36円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0826ドル(▲0.0027ドル)
FTSE100種総合株価指数:8385.13(前営業日比△56.06)
ドイツ株式指数(DAX):19583.39(△150.58)
10年物英国債利回り:4.089%(△0.025%)
10年物独国債利回り:2.208%(△0.024%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
9月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)改定値
(前年比) 1.7% 1.8%
9月ユーロ圏HICPコア改定値
(前年比) 2.7% 2.7%
8月ユーロ圏貿易収支
(季調済) 110億ユーロの黒字 137億ユーロの黒字・改
(季調前) 46億ユーロの黒字 212億ユーロの黒字
欧州中央銀行(ECB)、政策金利
3.40%に引き下げ 3.65%
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ユーロドルは頭が重かった。欧州中央銀行(ECB)はこの日開いた定例理事会で、市場予想通り政策金利を0.25%引き下げることを決めたと発表。声明では「インフレ鈍化は順調に進んでいる」との認識を示したうえで「物価見通しは最近の経済指標の下振れにも影響を受ける」と指摘した。また、今後の動きについては「データに基づいて会合ごとに決定を下す」との見解を改めて表明し、利下げペースはデータ次第との説明を維持した。結果公表直後はユーロ買い・ドル売りで反応し、一時1.0874ドルと日通し高値を付けた。
ただ、200日移動平均線が位置する1.0873ドルがレジスタンスとして意識されると失速した。ラガルドECB総裁が理事会後の記者会見で「経済は予想よりもやや弱い」「成長に対するリスクは下振れ方向」「インフレのリスクは恐らく上方向ではなく、やや下方向」との見解を示したこともユーロ売りを誘った。市場では「ユーロ圏でインフレ鈍化が進んでいることを踏まえ、ECBが12月に追加利下げを決めるとの観測が出ている」との声が聞かれ、一時1.0811ドルと8月2日以来の安値を更新した。
なお、ECB関係者の話として「12月にさらなる利下げを行う可能性が極めて高い」との報道が伝わった。
・ドル円は底堅い動き。独DAXが史上最高値を更新するなど、欧州株相場が堅調に推移すると円売り・ドル買いが先行し、一時149.87円まで値を上げた。14日高値の149.98円や節目の150.00円を前にいったんは149.47円付近まで伸び悩む場面も見られたが、NY時間発表の米経済指標が軒並み予想を上回ると再び強含んだ。
この日発表された9月米小売売上高や10月米フィラデルフィア連銀製造業景気指数、前週分の米新規失業保険申請件数、10月米NAHB住宅市場指数は予想よりも強い内容だった。米経済の底堅さが改めて意識されると、米長期金利の上昇とともに全般ドル買いが活発化し、1時30分前に150.30円と8月1日以来約2カ月半ぶりの高値を更新した。
・ユーロ円は下値が堅かった。21時30分過ぎに一時162.72円まで値を上げたものの、ECB総裁の発言が伝わると一転下落し161.85円と日通し安値を更新。ただ、売り一巡後は再び買いが優勢となり、1時過ぎには162.76円と日通し高値を付けた。ドル円の上昇につれた買いが相場を下支えした。
・ロンドン株式相場は続伸し、5月21日以来約5カ月ぶりの高値で取引を終えた。前日の英インフレ指標の鈍化を受けて、英中銀(BOE)が利下げを進めやすくなるとの見方が広がる中、この日も買いが続いた。HSBCやバークレイズなど金融株が買われたほか、レレックスやロールス・ロイス・ホールディングスなど資本財サービス株が値上がりした。BPやシェルなどエネルギー株も堅調だった。
・フランクフルト株式相場は3日ぶりに反発し、史上最高値を更新した。ECB定例理事会の結果公表を前にしばらくはもみ合いの展開が続いていたが、結果が伝わると強含んだ。良好な米経済指標が相次いだことも投資家心理の改善につながった。個別ではザルトリウス(16.45%高)やメルク(7.56%高)、シーメンス・エナジー(4.20%高)などの上昇が目立った。
・欧州債券相場は下落。良好な米経済指標が相次いだことを受けて、米国債が下落すると独国債にも売りが波及した。
(中村)