ニューヨーク外国為替市場概況・17日 ドル円、続伸

 17日のニューヨーク外国為替市場でドル円は続伸。終値は150.21円と前営業日NY終値(149.64円)と比べて57銭程度のドル高水準だった。9月米小売売上高や10月米フィラデルフィア連銀製造業景気指数、前週分の米新規失業保険申請件数が予想よりも強い内容だったことが分かると、米経済の底堅さが改めて意識されて、米長期金利の上昇とともに全般ドル買いが先行。21時30分過ぎに一時150.08円まで値を上げた。
 そのあとはポジション調整目的の売りなどに押されて、149.64円付近まで上値を切り下げる場面もあったが、下押しは限定的。10月米NAHB住宅市場指数が予想を上回ったことも相場の支援材料となり、4時過ぎには一時150.32円と8月1日以来約2カ月半ぶりの高値を更新した。

 ユーロドルは4日続落。終値は1.0831ドルと前営業日NY終値(1.0862ドル)と比べて0.0031ドル程度のユーロ安水準だった。欧州中央銀行(ECB)はこの日開いた定例理事会で、市場予想通り政策金利を0.25%引き下げることを決めたと発表。今後の動きについては「データに基づいて会合ごとに決定を下す」との見解を改めて表明し、利下げペースはデータ次第との説明を維持した。結果公表直後はユーロ買い・ドル売りで反応し、一時1.0874ドルと日通し高値を付けた。
 ただ、200日移動平均線が位置する1.0873ドルがレジスタンスとして意識されると一転下落した。ラガルドECB総裁が理事会後の記者会見で「経済は予想よりもやや弱い」「成長に対するリスクは下振れ方向」「インフレのリスクは恐らく上方向ではなく、やや下方向」との見解を示したこともユーロ売りを誘った。市場では「ユーロ圏でインフレ鈍化が進んでいることを踏まえ、ECBが12月に追加利下げを決めるとの観測が出ている」との声が聞かれ、22時30分前に一時1.0811ドルと8月2日以来の安値を更新した。その後の戻りも1.0841ドル付近にとどまった。

 ユーロ円は3営業日ぶりに小反発。終値は162.70円と前営業日NY終値(162.54円)と比べて16銭程度のユーロ高水準。21時30分過ぎに一時162.72円まで値を上げたものの、ECB総裁の発言が伝わると失速し一時161.85円と日通し安値を更新した。ただ、売り一巡後は再び買いが優勢となり、1時過ぎには162.76円と日通し高値を付けた。ドル円の上昇につれた買いが相場を下支えした。
 独DAXやNYダウが史上最高値を更新するなど、欧米株価が底堅く推移する中、リスク・オンの円売りも出やすかった。ポンド円は一時195.60円、豪ドル円は100.69円、NZドル円は91.11円、カナダドル円は108.98円、メキシコペソ円は7.57円まで値を上げた。

本日の参考レンジ
ドル円:149.25円 - 150.32円
ユーロドル:1.0811ドル - 1.0874ドル
ユーロ円:161.85円 - 162.76円

(中村)
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