欧州マーケットダイジェスト・22日 株安・金利上昇・ドル底堅い

(22日終値:23日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=150.98円(22日15時時点比△0.14円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=163.09円(▲0.11円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0803ドル(▲0.0016ドル)
FTSE100種総合株価指数:8306.54(前営業日比▲11.70)
ドイツ株式指数(DAX):19421.91(▲39.28)
10年物英国債利回り:4.166%(△0.029%)
10年物独国債利回り:2.318%(△0.036%)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な欧州経済指標)
特になし

(各市場の動き)
・ドル円は底堅い動き。米長期金利の指標となる米10年債利回りが4.16%台まで低下した局面では150.61円付近まで下押ししたものの、アジア時間に付けた日通し安値150.50円がサポートとして働くと買い戻しが優勢に。市場では「一目均衡表雲の上限が位置する150.70円が重要なポイント」との声も聞かれた。
 米10年債利回りが4.21%台まで上昇すると円売り・ドル買いがさらに強まり、一時151.20円と7月31日以来の高値を更新した。もっとも、200日移動平均線が位置する151.36円付近が戻りの目処として意識されると、上昇は一服している。
 なお、国際通貨基金(IMF)はこの日公表した最新の世界経済見通し(WEO)で、2024年の世界経済の成長率予測を従来の3.2%に据え置いたものの、25年の成長率予測は3.2%に下方修正した。IMFはリセッション(景気後退)に陥ることなくインフレを抑制したと世界各国・地域の中央銀行を評価した一方、来年の世界経済の成長率予測を下方修正し、「戦争や保護貿易主義などによるリスクが高まっている」と指摘した。

・ユーロドルは頭が重かった。日本時間夕刻に一時1.0838ドルと日通し高値を付けたものの、買い戻しはあくまでポジション調整の域を出ず長続きしなかった。センテノ・ポルトガル中銀総裁が「雇用市場が軟化すれば0.50%の利下げも可能」と述べたことなどが相場の重しになると、前日の安値1.0811ドルを下抜けて一時1.0801ドルと8月2日以来の安値を更新した。米長期金利が上昇に転じたこともユーロ売り・ドル買いを誘った。
 なお、ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁は「インフレ目標が既に達成されたと結論付けることはできない」「金利は必要な限り景気抑制的な水準にとどまる」「金利引き下げのペースは未定」などと語った。

・ユーロ円はもみ合い。ドル円とユーロドルの値動きの影響を同時に受けたため、相場は大きな方向感が出なかった。日本時間夕刻に一時163.67円と日通し高値を付けたあとは162.78円の日通し安値まで下落したものの、売りが一巡すると163.45円付近まで持ち直した。

・ロンドン株式相場は小幅ながら3日続落。前日の米株式市場でダウ平均が下落した流れを引き継ぎ、売りがやや優勢となった。ナショナルグリッドやSSEなど公共事業株が売られたほか、セグロやランド・セキュリティーズ・グループなど不動産株が値下がりした。半面、リオ・ティントやアングロ・アメリカンなど素材株が買われた。

・フランクフルト株式相場は続落。米利下げ観測の後退を背景に米長期金利が上昇したことや、時間外のダウ先物の下落が投資家心理を冷やした。個別ではミュンヘン再保険(2.75%安)やボノビア(2.04%安)、ブレンターク(1.93%安)などの下げが目立った。

・欧州債券相場は下落。米債安につれた。

(中村)
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