東京為替見通し=ドル円、長期金利・株価を見据えての値動きか 口先介入に警戒

 23日のニューヨーク外国為替市場で、ドル円は3日続伸。米利下げ観測の後退や、11月の米大統領選挙でトランプ前大統領が優勢との見方が強まったことを背景に米長期金利が上昇すると、全般ドル買いが先行して7月31日以来となる153.19円まで上昇。「衆院選での自民・公明与党の苦戦が予想されるなど政局不安が高まる中で、月末の日銀金融政策決定会合で利上げは実施されづらいだろう」との思惑が浮上し、円売りを誘った面もあった。ただ、その後はダウ平均が一時600ドル超下落したことなどが重しとなって152.48円付近まで下押す場面も見られた。ユーロドルは欧州中央銀行(ECB)が12月に大幅利下げを実施するとの見方が強まったこともあり、一時1.0761ドルと7月3日以来の安値を更新した。

 本日の東京市場では、主だった経済指標の発表や要人発言が予定されておらず、ドル円は引き続き米長期金利や、日経平均を眺めながらの展開となるか。

 足もとでは、米利下げ観測が後退しているほか、日銀の利上げ観測も後退しており、ドル買い・円売りが進みやすい地合いではある。今週に入り、東京市場のドル円は時間外取引の米長期金利に振らされる場面が目立っており、金利が上昇はドル買い圧力となる。昨日高値153.19円を超えると、7月31日に付けた直近高値153.88円に向けた一段高も考えられる。

 一方、昨日は米株主要3指数がそろって下落しており、本邦株価への影響は気になるところ。ドル円は今週に入り安値から約4円上昇して3カ月弱ぶりの高値を付けており、株安など何らかのきっかけがあれば利益確定売りが出やすい水準である点には注意が必要だろう。また、昨日は本邦要人発言からは円安けん制発言は伝わってないものの、水準を考えると、引き続き本邦通貨当局による口先介入などの円安抑制策への警戒は怠らないようにしたい。


(川畑)
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