週間為替展望(ドル/ユーロ)-ドル円、衆院選結果次第では乱高下も
◆ドル円、米雇用統計、米PCEデフレーターなどに注目
◆ドル円、衆院選、日銀金融政策決定会合に警戒
◆ユーロドル、ユーロ圏7-9月GDP速報値や10月CPIを見極め
予想レンジ
ドル円 149.00-155.00円
ユーロドル 1.0600-1.1000ドル
10月28日週の展望
ドル円は、11月5日の米大統領・議会選挙で、トランプ候補・共和党陣営、ハリス候補・民主党陣営のどちらが勝利しても、減税と財政出動によりインフレが再び加速。米連邦準備理事会(FRB)の利下げペースが鈍化、あるいは利下げが停止される可能性が高まるとの見方から、米長期金利の上昇に伴う堅調地合いが予想される。
ただ、今週末の衆議院選挙の結果次第では、乱高下となる可能性もあり警戒しておきたい。自民党が議席をかなり落としつつも自公で過半数を維持した場合、リスク回避の円買いは限定的だと予想される。また、自公で過半数割れとなるものの、一部野党を連立政権に組み込むことで、自民党中心の政権が続く場合も、政策運営の停滞が警戒されるが、リスク回避の円買いは限られそうだ。一方、自公が過半数割れとなり、立憲民主党を中心とした政権に交代した場合は、2009年9月の政権交代時のようなリスク回避の円買い圧力が強まることに警戒しておきたい。30-31日の日銀金融政策決定会合では、金融政策の維持が予想されているが、会合後の植田日銀総裁の記者会見では、追加利上げの時期への言及などに注意。また、展望リポートでは、ターミナルレートが中立金利水準と見なされている1.0%付近なのか否かを見極めることになるだろう。
米国では、11月1日に10月の雇用統計が予定されている。失業率は4.1%で9月と変わらずだが、非農業部門雇用者数は、ハリケーンの影響で13.5万人と9月の25.4万人からの減少が見込まれている。FRBがインフレ指標として注視しているPCEデフレーターの9月分は前年比2.1%で、8月の2.2%からの低下が予想されており、インフレ目標2%に接近することが予想されている。雇用統計とPCEデフレーターが予想通りならば、11月と12月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での追加利下げ幅が拡大する可能性もあるだろう。また、引き続きイスラエルによるイランへの報復攻撃など、中東の地政学リスクには警戒が必要だ。
ユーロドルは、ユーロ圏7-9月GDP速報値やユーロ圏10月CPIを見極めつつ、12月欧州中央銀行(ECB)理事会での追加利下げの可能性を探る展開となる。市場では0.25%の追加利下げを予想しているが、景況感が悪化しインフレ率が鈍化した場合は、0.50%の利下げの可能性が高まることになりそうだ。
10月21日週の回顧
ドル円は、米10年債利回りが米次期政権の財政出動策への警戒感から4.2556%まで上昇したことから153.19円まで大幅に買われたが、米長期金利の上昇が一服すると151円台半ばまで下押ししている。ユーロドルは、追加利下げ観測が台頭するなか、米長期金利の急騰を受けて1.0872ドルから1.0761ドルまで下落した。(了)
◆ドル円、衆院選、日銀金融政策決定会合に警戒
◆ユーロドル、ユーロ圏7-9月GDP速報値や10月CPIを見極め
予想レンジ
ドル円 149.00-155.00円
ユーロドル 1.0600-1.1000ドル
10月28日週の展望
ドル円は、11月5日の米大統領・議会選挙で、トランプ候補・共和党陣営、ハリス候補・民主党陣営のどちらが勝利しても、減税と財政出動によりインフレが再び加速。米連邦準備理事会(FRB)の利下げペースが鈍化、あるいは利下げが停止される可能性が高まるとの見方から、米長期金利の上昇に伴う堅調地合いが予想される。
ただ、今週末の衆議院選挙の結果次第では、乱高下となる可能性もあり警戒しておきたい。自民党が議席をかなり落としつつも自公で過半数を維持した場合、リスク回避の円買いは限定的だと予想される。また、自公で過半数割れとなるものの、一部野党を連立政権に組み込むことで、自民党中心の政権が続く場合も、政策運営の停滞が警戒されるが、リスク回避の円買いは限られそうだ。一方、自公が過半数割れとなり、立憲民主党を中心とした政権に交代した場合は、2009年9月の政権交代時のようなリスク回避の円買い圧力が強まることに警戒しておきたい。30-31日の日銀金融政策決定会合では、金融政策の維持が予想されているが、会合後の植田日銀総裁の記者会見では、追加利上げの時期への言及などに注意。また、展望リポートでは、ターミナルレートが中立金利水準と見なされている1.0%付近なのか否かを見極めることになるだろう。
米国では、11月1日に10月の雇用統計が予定されている。失業率は4.1%で9月と変わらずだが、非農業部門雇用者数は、ハリケーンの影響で13.5万人と9月の25.4万人からの減少が見込まれている。FRBがインフレ指標として注視しているPCEデフレーターの9月分は前年比2.1%で、8月の2.2%からの低下が予想されており、インフレ目標2%に接近することが予想されている。雇用統計とPCEデフレーターが予想通りならば、11月と12月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での追加利下げ幅が拡大する可能性もあるだろう。また、引き続きイスラエルによるイランへの報復攻撃など、中東の地政学リスクには警戒が必要だ。
ユーロドルは、ユーロ圏7-9月GDP速報値やユーロ圏10月CPIを見極めつつ、12月欧州中央銀行(ECB)理事会での追加利下げの可能性を探る展開となる。市場では0.25%の追加利下げを予想しているが、景況感が悪化しインフレ率が鈍化した場合は、0.50%の利下げの可能性が高まることになりそうだ。
10月21日週の回顧
ドル円は、米10年債利回りが米次期政権の財政出動策への警戒感から4.2556%まで上昇したことから153.19円まで大幅に買われたが、米長期金利の上昇が一服すると151円台半ばまで下押ししている。ユーロドルは、追加利下げ観測が台頭するなか、米長期金利の急騰を受けて1.0872ドルから1.0761ドルまで下落した。(了)