NY為替見通し=10月米消費者態度指数の1年先のインフレ期待に要注目か

 本日のNY為替市場のドル円は、中東の地政学リスクや本邦通貨当局のドル売り・円買い介入の可能性に警戒しながら、9月米耐久財受注額や10月米消費者態度指数(ミシガン大調べ、確報値)などを見極めていくことになる。

 9月米耐久財受注額は前月比▲1.0%と予想されており、8月の同比±0.0%から悪化、輸送用機器を除くは前月比▲0.1%と予想されており、8月の同比+0.5%からの悪化が見込まれている。
 予想通りならば、米10年債利回りとドルの上値は限定的となる。

 10月米消費者態度指数(ミシガン大調べ、確報値)では、速報値での1年先の期待インフレ率は2.9%(9月2.7%)の修正値に注目しておきたい。

 そして、11月6-7日の米連邦公開市場委員会(FOMC)のブラックアウト期間前のコリンズ米ボストン連銀総裁の講演にも要注目となる。
 コリンズ総裁は、先日、コアインフレ圧力は依然強いものの、インフレが米連邦準備理事会(FRB)の目標である2%に近づいているという確信は増している、と述べ「政策のさらなる調整が必要となる公算が大きい」と述べていた。

 ドル円は、7月31日の植田ショックの日の高値153.88円に迫った後、米10年債利回りの低下により、長期的な攻防の分岐点である200日移動平均線151.42円や短期的な分岐点である日足一目均衡表・転換線151.02円付近に反落している。

 27日の衆議院議員総選挙の投開票を前に、争点となっている物価高対策のためのドル売り・円買い介入が行われる可能性には引き続き警戒しておきたい。

 また、本日も引き続き、イスラエルとイランの軍事衝突激化に関するヘッドラインには警戒しておきたい。現在、ネタニヤフ首相の私邸がドローン攻撃を受けたため、イスラエル軍はレバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラへの攻撃に注力しているが、いずれイランへの報復攻撃の可能性が高まることになる。
 イスラエルのガラント国防相は22日「イランへの攻撃は数カ月間続く」と警告している。

・想定レンジ上限
 ドル円の上値目処(めど)は、153.19円(10/23高値)

・想定レンジ下限
 ドル円の下値目処(めど)は、151.02円(日足一目均衡表・転換線)


(山下)
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