欧州マーケットダイジェスト・31日 株安・円高

(31日終値:11月1日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=152.17円(31日15時時点比▲0.67円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=165.29円(▲0.57円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0862ドル(△0.0011ドル)
FTSE100種総合株価指数:8110.10(前営業日比▲49.53)
ドイツ株式指数(DAX):19077.54(▲179.80)
10年物英国債利回り:4.446%(△0.094%)
10年物独国債利回り:2.390%(△0.002%)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な欧州経済指標)   
        <発表値>    <前回発表値>
9月独輸入物価指数
前月比     ▲0.4%     ▲0.4%
前年同月比  ▲1.3%      0.2%
9月独小売売上高
前月比     1.2%      1.6%
前年同月比  0.9%      2.4%
10月仏消費者物価指数(CPI)速報値
前月比     0.2%     ▲1.2%
前年同月比  1.2%      1.1%
9月仏卸売物価指数(PPI)
前月比   ▲0.1%      0.2%
9月トルコ貿易収支
   51.3億ドルの赤字  49.9億ドルの赤字
10月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)速報値
前年同月比 0.2%      1.7%
10月ユーロ圏HICPコア速報値
前年同月比 2.7%       2.7%
9月ユーロ圏失業率
      6.3%       6.4%

※改は改定値を表す。▲はマイナス。

(各市場の動き)
・ドル円は戻りが鈍い。植田日銀総裁が定例記者会見でこれまで繰り返してきた政策判断に「時間的な余裕はある」との表現を今後は使わないとし、経済・物価情勢を踏まえて予断を持たずに判断していく姿勢を強調。総じてタカ派的な見解と捉えられたため売りが先行し、一時151.92円まで下げ足を速めた。ただ、売りが一巡すると下げ渋り、NY時間に入って米10年債利回りが4.33%台まで上昇すると153.05円付近まで持ち直した。一方で、ダウ平均が軟調に推移したため戻りは限定的。米金利が4.25%台まで一転低下したことも嫌気され152円台前半まで押し戻された。

・ユーロドルはもみ合い。昨日に続き独長期金利の上昇を手掛かりとした買いが入ったほか、10月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)速報値が予想をわずかに上回ったことも支援材料となり、一時1.0888ドルまで値を上げた。ただ、その後はポンドドルの急落につれたほか、欧州株安も重しとなり1.08ドル台半ばまで伸び悩むなど方向感が出なかった。市場では「明日に10月米雇用統計を控えて積極的な売買は手控えられている」との指摘があった。
 なお、ポンドドルは売り優勢。しばらくは1.29ドル台後半での推移が続いていたが、23時前から断続的な売りが持ち込まれた。市場では「月末のロンドンフィキシングに向けたフローが出たのでは」との指摘もあり、23日安値の1.2908ドルを下抜けて1.2844ドルと8月15日以来の安値を付けた。

・ユーロ円はさえない。日銀総裁のタカ派発言をきっかけに売りが強まると一時164.94円まで下落した。ドル円と同様に一巡後はショートカバーが入り166.36円付近まで切り返したが戻りは限られた。欧米株安でリスク回避の売りが優勢になると165.03円付近まで再び値を下げた。

・ロンドン株式相場は3日続落。日本株が下落したほか、時間外で米株価指数先物が軟調に推移していることが投資家心理の悪化につながり、売りが優勢となった。分野別では、不動産や情報技術関連株の下げが目立った。

・フランクフルト株式相場は3日続落。日米株価指数の下落を受けて投資家のリスク回避姿勢が高まり、幅広い銘柄が売られた。個別では、ザランド(4.04%安)やラインメタル(2.70%安)の下げが目立った一方、ザルトリウス(0.68%高)やメルク(0.60%高)は買われた。

・欧州債券相場は下落。


(越後)
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