11日香港株=続落か、中国の景気刺激策に失望

 週明け11日の香港市場は続落か。注目の全国人民代表大会(全人代)常務委員会が8日発表した経済政策は地方政府が抱える「隠れ債務」を置き換えるインフラ債の発行枠の拡大だった。不動産不況や内需刺激に向けた大規模な財政出動が盛り込まれなかったことで、失望売りが出そうだ。

 中国国家統計局が前週末に発表した10月の物価統計はとも市場予想から下振れした。中国景気の不透明感が改めて意識されるだろう。また、週内に10月の中国金融統計、米国の消費者物価指数が発表される。米中の金融政策の行方を推し測る材料となるだけに、投資家が積極的な売買を控える可能性がある。

 8日のNY株式相場は上昇。ダウ平均など主要3指数がそろって取引時間中と終値の最高値を更新した。次期トランプ政権による減税や規制緩和策による景気回復期待が続いたほか、前日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で0.25%の利下げが決定されたことも株式相場の支援となった。同日の香港株の米国預託証券(ADR)は、総じて下落。大型ネット株のアリババ集団(09988)、テンセント(00700)、美団(03690)、国際金融銘柄のAIAグループ(01299)とHSBC(00005)、電気自動車の理想汽車(02015)、中国本土金融株の中国平安保険(02318)と中国建設銀行(00939)がそろって香港終値を下回って引けた。
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