ニューヨーク外国為替市場概況・11日 ユーロドル、続落

 11日のニューヨーク外国為替市場でユーロドルは続落。終値は1.0655ドルと前営業日NY終値(1.0718ドル)と比べて0.0063ドル程度のユーロ安水準だった。ユーロ圏最大のドイツ経済で不振が続いていることから、欧州経済の先行き不透明感を背景にユーロ売りが出やすい地合いとなった。市場では「トランプ次期政権による関税政策が、欧州経済に悪影響を及ぼすとの懸念も根強い」との声も聞かれ、24時前には一時1.0629ドルと4月22日以来の安値を更新した。
 ただ、NY午後に入ると1.06ドル台半ばで次第に値動きが細った。本日はベテランズデーで米債券市場が休場となったため、市場参加者が少なく大きな方向感が出なかった。

 ドル円は3営業日ぶりに反発。終値は153.72円と前営業日NY終値(152.64円)と比べて1円08銭程度のドル高水準だった。対ユーロ中心にドル高が進むと、円に対してもドル買いが先行。ダウ平均が連日で史上最高値を更新したほか、日経平均先物が上昇したことなども相場の支援材料となり、一時153.95円と日通し高値を付けた。市場では「ドル先高観や日銀の早期利上げ観測後退で円売り・ドル買いが出やすい」との指摘もあった。
 なお、石破茂首相は記者会見で「半導体や人工知能(AI)の分野で2030年度までに10兆円以上の公的支援を行う」と表明。また、「次期春闘での賃上げや最低賃金の中期的引き上げに向けて、月内にも政労使による協議の場を持つ」と明らかにした。

 ユーロ円は3日ぶりに小反発。終値は163.77円と前営業日NY終値(163.61円)と比べて16銭程度のユーロ高水準。アジア時間に一時164.66円まで上昇した影響が残ったものの、欧米市場では上値の重さが目立った。独連立政権崩壊でユーロ圏景気への懸念が意識される中、全般ユーロ売りが進んだ流れに沿った。欧州経済の動向に配慮して欧州中央銀行(ECB)が追加利下げを進めるとの観測からユーロ売りも出やすく、24時前には一時163.58円付近まで下押しした。

本日の参考レンジ
ドル円:152.64円 - 153.95円
ユーロドル:1.0629ドル - 1.0728ドル
ユーロ円:163.43円 - 164.66円

(中村)
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