ニューヨーク外国為替市場概況・14日 ドル円、4日続伸

 14日のニューヨーク外国為替市場でドル円は4日続伸。終値は156.27円と前営業日NY終値(155.46円)と比べて81銭程度のドル高水準だった。10月米卸売物価指数(PPI)が総合・コアともに前年比で予想を上回ったほか、前週分の米新規失業保険申請件数が予想よりも強い内容となったことが分かると全般ドル買いが先行。22時30分過ぎに一時156.19円付近まで値を上げた。
 ただ、156円台では利食いなどが出たため、買い一巡後は伸び悩んだ。米長期金利の指標となる米10年債利回りが4.38%台まで低下したことも相場の重しとなり、23時30分過ぎには155.52円付近まで下押しした。
 もっとも、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が「堅調な米景気を踏まえれば、利下げを急ぐ必要はない」との見解を表明し、今後の金利については「指標と経済見通し次第だ」と強調すると再び強含んだ。5時過ぎには一時156.42円と7月23日以来の高値を更新した。

 ユーロドルは5日続落。終値は1.0530ドルと前営業日NY終値(1.0564ドル)と比べて0.0034ドル程度のユーロ安水準だった。デギンドス欧州中央銀行(ECB)副総裁が「インフレ率が目標の2%に達する軌道にあることを最近のデータが示している」として、「ECBは一段の利下げの方向に進んでいる」との考えを示すとユーロ売り・ドル買いが先行。20時過ぎに一時1.0497ドルと昨年10月13日以来の安値を更新した。
 ただ、昨年10月3日の安値1.0448ドルが重要なサポートとして意識されると買い戻しが優勢に。米長期金利の低下に伴うユーロ買い・ドル売りも入り、1時30分前には1.0582ドルと日通し高値を付けた。
 もっとも、パウエルFRB議長の講演を受けて米利下げペースが想定よりも緩やかになるとの見方が強まると、米長期金利が低下幅を縮小し、ユーロ売り・ドル買いが優勢に。6時前には一時1.0512ドル付近まで下押しした。

 ユーロ円は上昇。終値は164.55円と前営業日NY終値(164.24円)と比べて31銭程度のユーロ高水準。20時過ぎに一時163.81円と日通し安値を付けたものの、売り一巡後は買い戻しが優勢に。1時前には164.98円と日通し高値を更新した。引けにかけては164円台半ばで伸び悩んだ。

 代表的な暗号資産(仮想通貨)であるビットコインは軟調だった。対ドルでは一時8万7020ドル前後まで下落したほか、対円では1361万円台まで売られる場面があった。前日に史上最高値を更新したあとだけに利益確定目的の売りが優勢となった。

本日の参考レンジ
ドル円:155.35円 - 156.42円
ユーロドル:1.0497ドル - 1.0582ドル
ユーロ円:163.81円 - 164.98円

(中村)
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