ニューヨーク外国為替市場概況・15日 ドル円、5日ぶり大幅反落

 15日のニューヨーク外国為替市場でドル円は5営業日ぶりに大幅反落。終値は154.30円と前営業日NY終値(156.27円)と比べて1円97銭程度のドル安水準だった。アジア市場では一時156.75円と7月23日以来の高値を更新したものの、NY市場に入ると週末を控えたポジション調整目的の売りなどが優勢となった。
 この日発表された10月米小売売上高は前月比0.4%増と予想の0.3%増を上回り、自動車を除く数値は前月比0.1%増と予想の0.3%増を下回ったものの、前月の数値が大幅に上方修正された。また、11月米ニューヨーク連銀製造業景気指数は31.2と予想の▲0.7を大きく上回り、10月米輸入物価指数も前月比0.3%上昇と予想の0.1%低下に反して上昇した。この結果を受けて米長期金利の指標となる米10年債利回りは一時4.5007%前後と5月31日以来の高水準を記録。ドル円は24時前に155.77円付近まで下げ渋る場面があった。
 もっとも、米10年債利回りが低下に転じると再び弱含んだ。米株式市場でダウ平均が一時400ドル超下落したほか、ナイト・セッションの日経平均先物が大証終値比890円安の3万7780円まで下げるとリスク・オフの円買いも活発化。4時前には一時153.86円と日通し安値を更新した。

 ユーロドルは6日ぶりに小反発。終値は1.0540ドルと前営業日NY終値(1.0530ドル)と比べて0.0010ドル程度のユーロ高水準だった。前日に一時1.0497ドルと昨年10月13日以来約1年1カ月ぶりの安値を付けたあとだけに、週末を控えたポジション調整目的のユーロ買い・ドル売りが優勢となった。前日の高値1.0582ドルを上抜けると一時1.0593ドルまで値を上げた。
 ただ、その後発表の米経済指標が概ね良好な結果だったことが分かると一転売りが優勢となり、上値が重くなった。ユーロ円の下落につれた売りも出て、5時30分過ぎには一時1.0516ドルと日通し安値を更新した。

 ユーロ円は大幅反落。終値は162.66円と前営業日NY終値(164.55円)と比べて1円89銭程度のユーロ安水準。日米株価指数の下落を背景にリスク回避の円買い・ユーロ売りが入ると3時30分過ぎに一時162.32円と10月21日以来の安値を付けた。
 ユーロ円以外のクロス円も軟調だった。ポンド円は一時194.30円、豪ドル円は99.42円、NZドル円は90.25円、カナダドル円は109.26円、スイスフラン円は173.63円、南アフリカランド円は8.45円まで値を下げた。

本日の参考レンジ
ドル円:153.86円 - 156.75円
ユーロドル:1.0516ドル - 1.0593ドル
ユーロ円:162.32円 - 165.04円

(中村)
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