ニューヨーク外国為替市場概況・19日 ドル円、横ばい

 19日のニューヨーク外国為替市場でドル円は横ばい。終値は154.66円と前営業日NY終値(154.66円)とほぼ同水準だった。ロシアが核兵器を使用するための条件を示した「核抑止力の国家政策指針」(核ドクトリン)を改定したと伝わったほか、ウクライナは米国から供与された長距離地対地ミサイルを使ってロシアの軍事施設を攻撃したと報じられた。ロシアとウクライナを巡る地政学リスクへの警戒感が高まるとリスク回避の円買いが強まり、日本時間夕刻に一時153.29円と日通し安値を付けた。
 ただ、NY市場に入ると買い戻しが優勢となった。ラブロフ露外相が「核戦争が起きないというのがロシアの立場だ」と発言したのを受けて、投資家の過度なリスク回避姿勢が後退した。
 その後、国際原子力機関(IAEA)が「イランは核兵器級に近いウランの生産停止に合意」「イランと核施設への査察官受け入れについて合意」と発表すると、さらに買い戻しが強まり、3時過ぎには154.80円と日通し高値を更新した。

 ユーロドルは3営業日ぶりに小反落。終値は1.0596ドルと前営業日NY終値(1.0598ドル)と比べて0.0002ドル程度のユーロ安水準だった。ロシアとウクライナを巡る一連の報道をきっかけにリスク・オフのユーロ売り・ドル買いが強まると、日本時間夕刻に一時1.0524ドルと日通し安値を付けた。ただ、売り一巡後は買い戻しが優勢となり、0時30分過ぎには1.0601ドルとアジア時間に付けた日通し高値に面合わせした。

 ユーロ円も小反落。終値は163.86円と前営業日NY終値(163.93円)と比べて7銭程度のユーロ安水準。ウクライナとロシアを巡る地政学リスクの高まりから、日本時間夕刻に一時161.50円と10月4日以来の安値を付けたものの、NYの取引時間帯に入ると一転上昇した。一時は450ドル超下落したダウ平均が8ドル安程度まで下落幅を縮小したほか、ナスダック総合が上昇へ転じるなど、米国株相場が底堅く推移したことが買い戻しを誘った。6時前には一時163.93円付近まで持ち直した。

本日の参考レンジ
ドル円:153.29円 - 154.80円
ユーロドル:1.0524ドル - 1.0601ドル
ユーロ円:161.50円 - 163.96円

(中村)
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