欧州マーケットダイジェスト・19日 株安・金利上昇・円安・ドル高

(19日終値:20日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=157.69円(19日15時時点比△2.46円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=163.39円(△2.24円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0361ドル(▲0.0020ドル)
FTSE100種総合株価指数:8105.32(前営業日比▲93.79)
ドイツ株式指数(DAX):19969.86(▲272.71)
10年物英国債利回り:4.579%(△0.021%)
10年物独国債利回り:2.306%(△0.061%)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な欧州経済指標)
       <発表値>    <前回発表値>
1月独消費者信頼感指数(Gfk調査)
        ▲21.3     ▲23.1・改
12月仏企業景況感指数
         94        96
10月ユーロ圏経常収支(季調済)
 258億ユーロの黒字 388億ユーロの黒字・改
英中銀(BOE)、政策金利
     4.75%で据え置き    4.75%

※改は改定値を表す。▲はマイナス。

(各市場の動き)
・ドル円は堅調。植田和男日銀総裁が金融政策決定会合後の記者会見で、「次の利上げ判断に至るには、もう1ノッチ欲しい」「来年の春闘を含む賃金動向を見極めたい」との見解を示すと、日銀の利上げ観測が後退。全般円売りが広がった。
 NYの取引時間帯に入ると、7-9月期米国内総生産(GDP)確定値や前週分の米新規失業保険申請件数、11月米景気先行指標総合指数、11月米中古住宅販売件数など、この日発表の米経済指標が良好だったことが分かり、米長期金利の上昇とともにドル買いが進んだ。1時過ぎに一時157.81円と7月19日以来5カ月ぶりの高値を更新した。
 なお、米連邦準備理事会(FRB)による利下げペースは鈍るとの見方が強まる中、米長期金利の指標となる米10年債利回りは一時4.5923%前後と5月30日以来の高水準を付けた。

・ユーロドルは戻りが鈍かった。前日の米連邦公開市場委員会(FOMC)後に急落した反動でショートカバーが先行。18時30分過ぎに一時1.0422ドルと日通し高値を付けた。ただ、買い戻しはあくまでポジション調整の域を出ず長続きしなかった。米長期金利の上昇に伴うユーロ売り・ドル買いが出ると一時1.0355ドル付近まで下押しした。

・ポンドドルは頭が重かった。前日に急落した反動でショートカバーが先行すると一時1.2667ドルと日通し高値を付けたものの、買い一巡後は徐々に弱含んだ。英中銀(BOE)はこの日、予想通り政策金利を4.75%で据え置くことを決めたと発表。市場では「利下げを主張する委員は1名」との予想が多かったが、実際にはラムスデン副総裁とディングラ委員、テイラー委員の3名が利下げ票を投じたことが明らかになり、ポンド売りで反応した。
 NY市場では米長期金利の上昇に伴うドル買いが活発化し、一時1.2505ドルと11月22日以来の安値を付けた。ベイリーBOE総裁が「市場の2月利下げ織り込みは合理的な出発点」と述べたことも相場の重し。

・ユーロ円は底堅い動き。植田日銀総裁の発言で「日銀は利上げに慎重」との受け止めが広がる中、円売り・ユーロ買いが優勢になった。0時30分過ぎには一時163.80円と11月21日以来約1カ月ぶりの高値を付けた。

・ロンドン株式相場は反落。前日の米株式相場が大幅に下落した流れを引き継いで売りが先行したものの、売りが一巡すると相場はもみ合いに転じた。セグロやランド・セキュリティーズ・グループなど不動産株が売られたほか、リオ・ティントやアングロ・アメリカンなど素材株が値下がりした。

・フランクフルト株式相場は5日続落。米利下げ観測の後退で前日の米国株相場が急落すると投資家心理が悪化。独株にも売りが波及した。個別ではインフィニオン・テクノロジーズ(5.39%安)やボノビア(2.96%安)、シーメンス(2.71%安)などの下げが目立った。

・欧州債券相場は下落した。

(中村)
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