東京為替見通し=ドル円、底堅い展開か 日米金融政策への思惑が支えに

 3日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、予想を上回った12月米ISM製造業景況指数を受けた米長期金利の上昇に連れて157.49円付近まで上昇。しかしその後、週末を控えたポジション調整の売りで156.88円まで反落した。ユーロドルは12月米ISM製造業景況指数を受けて1.0273ドル付近まで下落後、1.0310ドルまで反発した。ユーロ円は162.21円まで上昇した。

 本日の東京外国為替市場のドル円は、日米金融政策への思惑から底堅い展開が予想されるものの、本邦通貨当局による円安抑制措置には引き続き警戒しておきたい。

 2025年のドル円相場は、米連邦準備理事会(FRB)のターミナルレート(利下げの最終到達点)と日銀のターミナルレート(利上げの最終到達点)という日米金融政策を軸に、第2次トランプ米政権の財政、通商、外交政策が絡んでいく展開となる。
 参考までに、第1次トランプ米政権(2017年~2020年)のドル円相場(高値118.60円・安値102.88円)は、2016年12月のトランプ・ラリーの高値(118.66円)を超えることはなかった。

 本日は大発会での日経平均株価の動向を眺めながら、本邦通貨当局による円安牽制発言、日銀の金融政策に関する報道や発言、そして、トランプ次期米大統領による債務上限やドル高・人民元安、円安への突発的な発言などに警戒していくことになる。

 本邦通貨当局によるドル売り・円買い介入に関しては、昨年12月の本邦通貨当局の円安牽制発言が「注視」「適切対応」「憂慮」という段階に留まっており、「断固たる措置」といった円買い介入を示唆するタイミング、為替水準を見極めることになる。なお神田前財務官は、ボラティリティー抑制を円買い介入の目安にしていたが、ボラティリティーの上昇を測るボリンジャー・バンド+2σは、現時点では160.20円台にある。

 日銀の追加利上げの時期は、植田日銀総裁が追加利上げを見送った理由として、第2次トランプ米政権の経済政策や春闘での賃上げのモメンタムを確認するため、もうワンノッチ(1段階)の情報を待ちたい、と述べたことで、3月以降に先送りされた感がある。しかし、12月の日銀金融政策決定会合での主な意見では、植田日銀総裁の見解に同調している委員は、内田日銀副総裁らしき執行部の見解が確認されるだけだったことで、23-24日の日銀金融政策決定会合での利上げ確率は40%台まで上昇している。

 今月は、14日に予定されている氷見野日銀副総裁の神奈川県金融経済懇談会での講演や記者会見で、日銀の政策運営に関する考え方を市場に伝えるのではないかとの憶測が高まっており、昨年12月同様に事前の報道に注目していくことになる。

 28-29日の米連邦公開市場委員会(FOMC)での金融政策は、20日のトランプ次期米大統領の就任前後に予想されている大統領令などを見極める意味で、政策金利の据え置きが見込まれており、ドル買い要因となっている。

(山下)
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