欧州マーケットダイジェスト・16日 独株最高値・金利低下・ドル失速

(16日終値:17日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=155.26円(16日15時時点比▲0.85円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=159.87円(▲0.65円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0296ドル(△0.0014ドル)
FTSE100種総合株価指数:8391.90(前営業日比△90.77)
ドイツ株式指数(DAX):20655.39(△80.71)
10年物英国債利回り:4.679%(▲0.052%)
10年物独国債利回り:2.547%(▲0.013%)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な欧州経済指標)
       <発表値>    <前回発表値>
12月独消費者物価指数(CPI)改定値
(前月比)   0.5%       0.4%
(前年同月比) 2.6%       2.6%
11月英国内総生産(GDP)
(前月比)   0.1%      ▲0.1%
11月英鉱工業生産
(前月比)   ▲0.4%     ▲0.6%
(前年同月比) ▲1.8%    ▲1.1%・改
11月ユーロ圏貿易収支
(季調済)129億ユーロの黒字 70億ユーロの黒字・改
(季調前)164億ユーロの黒字 68億ユーロの黒字

※改は改定値を表す。▲はマイナス。

(各市場の動き)
・ユーロドルは底堅い動き。欧州中央銀行(ECB)理事会議事要旨(12月12日分)で「データはディスインフレの順調なプロセスを示す」「一部の委員が0.50%の利下げ協議を要請」「中期的なインフレは下方リスクが高い」との見解が示されると、ユーロ売り・ドル買いが先行。22時30分過ぎに一時1.0261ドルと日通し安値を更新した。
 ただ、前日の安値1.0260ドルが目先サポートとして意識されると買い戻しが優勢に。ウォラー米連邦準備理事会(FRB)理事が「3月利下げの可能性が排除されるとは考えていない」「インフレの動向次第では今年最大3-4回の利下げがあり得る」などと発言すると、米長期金利の低下とともにドル売りが活発化した。2時30分前には一時1.0315ドルと日通し高値を更新した。

・ドル円は頭が重かった。米長期金利の指標となる米10年債利回りが4.68%台まで上昇すると円売り・ドル買いが先行。22時30分過ぎに一時156.35円付近まで値を上げた。
 ただ、アジア時間に付けた日通し高値156.52円が目先レジスタンスとして意識されると失速した。ウォラーFRB理事が「インフレ抑制傾向が続く場合、早期利下げの可能性がある」との考えを示すと米10年債利回りが4.59%台まで低下。全般ドル売りが優勢となり、一時155.11円と昨年12月19日以来約1カ月ぶりの安値を付けた。
 なお、この日発表の12月米小売売上高や前週分の米新規失業保険申請件数は予想より弱い内容となった一方、1月米フィラデルフィア連銀製造業景気指数は予想を大幅に上回るなど、強弱入り混じる結果となった。

・ポンドドルは持ち直した。前日の12月英消費者物価指数(CPI)の下振れに続き、本日発表の11月英国内総生産(GDP)や11月英鉱工業生産なども予想より弱い内容となった。英中銀(BOE)が利下げに動きやすくなるとの思惑からポンド売り・ドル買いが進んだ。22時30分過ぎに一時1.2175ドルまで値を下げた。
 ただ、NYの取引時間帯に入ると全般ドル安が進んだ流れに沿って1.2260ドルの本日高値まで値を上げた。

・ユーロ円は頭が重かった。日本時間夕刻に一時160.89円付近まで値を上げたものの、アジア時間に付けた日通し高値161.09円が目先レジスタンスとして意識されると失速した。3時前には159.83円付近まで売られ、アジア時間に付けた日通し安値159.75円に迫った。ドル円につれた動きとなった。

・ロンドン株式相場は続伸し、昨年5月以来の高値で取引を終えた。前日の米国株相場や本日のアジア株相場が上昇したことで投資家心理が上向き、買いが優勢となった。レレックスやロールス・ロイス・ホールディングスなど資本財サービス株が買われたほか、アストラゼネカやグラクソスミスクラインなど医薬品株が値上がりした。

・フランクフルト株式相場は3日続伸し、史上最高値を更新した。前日の米国株相場や本日のアジア株相場が上昇したことで買いが先行。台湾積体電路製造(TSMC)の好決算を受けて、投資家心理が改善したことも相場の支援材料。個別ではザランド(8.57%高)やラインメタル(4.51%高)、ハノーバー再保険(2.51%高)などの上昇が目立った。

・欧州債券相場は上昇。米債高につれた。

(中村)
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