欧州マーケットダイジェスト・21日 英独株最高値・金利低下・円安

(21日終値:22日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=155.57円(21日15時時点比△0.25円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=162.12円(△0.92円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0421ドル(△0.0042ドル)
FTSE100種総合株価指数:8548.29(前営業日比△27.75)
ドイツ株式指数(DAX):21042.00(△51.69)
10年物英国債利回り:4.590%(▲0.069%)
10年物独国債利回り:2.510%(▲0.016%)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な欧州経済指標)
       <発表値>    <前回発表値>
12月英雇用統計
失業率      4.6%      4.6%
失業保険申請件数
        0.07万件   ▲2.51万件・改
9-11月英失業率
(ILO方式)    4.4%      4.3%
1月独ZEW景況感指数
         10.3       15.7
1月ユーロ圏ZEW景況感指数
         18.0       17.0

※改は改定値を表す。▲はマイナス。

(各市場の動き)
・ユーロドルは底堅い動き。「トランプ米大統領がカナダとメキシコに25%の関税を検討している」と伝わったのをきっかけにユーロ売り・ドル買いが先行。18時30分過ぎに一時1.0342ドルと日通し安値を付けた。
 ただ、売り一巡後は買い戻しが優勢に。英独株価指数が史上最高値を更新するなど、欧州株相場が堅調に推移するとリスク・オンのユーロ買い・ドル売りが入り、一時1.0430ドル付近まで値を上げた。市場では「ロンドン16時(日本時間1時)のフィキシングに絡んだユーロ買い・ドル売りのフローが観測された」との声も聞かれた。
 ナーゲル独連銀総裁はこの日、「ECBが来週利下げする可能性は十分にある」「ECBはデータに基づいて決定を下す」などと述べたが、相場の反応は限られた。

・ドル円は戻りが鈍かった。対ユーロなどでドル買いが先行するとドル円にも買いが入り、20時30分前には156.05円付近まで値を上げたものの、アジア時間に付けた日通し高値156.23円が目先レジスタンスとして意識されると次第に上値が重くなった。ロンドン・フィキシングに絡んだドル売りが観測されると一時155.25円付近まで下押しした。
 なお、「日銀は23-24日に開く金融政策決定会合で、政策金利の追加引き上げを決める方向」との報道が伝わったが、「追加利上げは織り込み済み」との見方から反応は限定的だった。

・ユーロ円は堅調。しばらくは狭いレンジでのもみ合いが続いていたが、欧米株価の上昇を背景にリスク志向の円売り・ユーロ買いが出ると一時162.18円まで値を上げ、日通し高値を更新した。

・ロンドン株式相場は5日続伸し、史上最高値を更新した。20日に就任したトランプ米大統領が新たな関税の即時発動を見送ったことから、買いが優勢となった。アストラゼネカやグラクソスミスクラインなど医薬品株が買われたほか、ナショナルグリッドやSSEなど公共事業株が値上がりした。半面、リオ・ティントやアングロ・アメリカンなど素材株は売られた。

・フランクフルト株式相場は6日続伸し、史上最高値を更新した。20日に就任したトランプ米大統領が新たな関税の即時発動を見送ると、関税を巡る過度な警戒が薄れ、買いが広がった。個別ではシーメンス・エナジー(3.31%高)やシーメンス・ヘルシニアーズ(3.22%高)、ラインメタル(1.88%高)などの上昇が目立った。

・欧州債券相場は上昇。米債高につれた。

(中村)
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