ニューヨーク外国為替市場概況・31日 ドル円、3日ぶり反発

 31日のニューヨーク外国為替市場でドル円は3営業日ぶりに反発。終値は155.19円と前営業日NY終値(154.29円)と比べて90銭程度のドル高水準だった。米国でのインフレ再燃や米関税政策への警戒感が高まる中、全般ドル買いが先行。22時30分過ぎに一時155.02円まで値を上げた。
 ただ、一目均衡表転換線が位置する155.24円や前日の高値155.25円がレジスタンスとして働くと失速し、154.53円付近まで下押しした。2時前には再び155円台まで上昇したものの、「トランプ米大統領は2月1日の発動を警告していたカナダとメキシコに対する25%の関税措置を3月1日に延期する見通し」との一部報道が伝わると154.67円付近まで押し戻された。
 もっとも、レビット米ホワイトハウス報道官が「カナダとメキシコに25%、中国に10%の追加関税を2月1日から課す」と改めて表明すると再びドル買いが優勢に。3時30分過ぎには155.22円と日通し高値を更新した。

 ユーロドルは5日続落。終値は1.0362ドルと前営業日NY終値(1.0391ドル)と比べて0.0029ドル程度のユーロ安水準だった。欧州中央銀行(ECB)の利下げ継続観測を背景にユーロ売り・ドル買いが先行すると、24時過ぎに一時1.0360ドルまで値を下げた。
 ただ、月末のロンドン16時(日本時間1時)のフィキシングに絡んだユーロ買いのフローが観測されると持ち直した。一部通信社が「米国の関税発動は3月1日になる見通し」と報じると全般ドル売りが活発化し、2時過ぎには1.0434ドルと日通し高値を更新した。
 もっとも、レビット報道官が「カナダ・メキシコ・中国への関税は2月1日発動。延期の報道は誤り」と発言すると再びユーロ売り・ドル買いが優勢に。6時過ぎには一時1.0350ドルと日通し安値を更新した。

 ユーロ円は3日ぶりに反発。終値は160.78円と前営業日NY終値(160.32円)と比べて46銭程度のユーロ高水準。24時過ぎに160.21円付近まで下押しする場面もあったが、月末のロンドン・フィキシングに絡んだユーロ買いが入ると強含んだ。2時過ぎには一時161.50円と日通し高値を更新した。

 米ドルカナダドルは米政権による関税を巡る報道を受けて荒い値動きとなった。23時過ぎに1.4550カナダドルまで上げたものの、2時過ぎに1.4373カナダドルの本日安値まで下落。ただ、引けにかけては1.4559カナダドルの本日高値まで一転上昇した。

本日の参考レンジ
ドル円:153.92円 - 155.22円
ユーロドル:1.0350ドル - 1.0434ドル
ユーロ円:159.92円 - 161.50円

(中村)
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