ニューヨーク外国為替市場概況・3日 ユーロドル、6日続落

 3日のニューヨーク外国為替市場でユーロドルは6日続落。終値は1.0344ドルと前営業日NY終値(1.0362ドル)と比べて0.0018ドル程度のユーロ安水準だった。トランプ米政権によるカナダ、メキシコ、中国に対する関税や、各国の報復関税など対抗措置による貿易戦争激化への懸念を背景に、アジア市場では一時1.0141ドルと2022年11月以来の安値を付けた。
 ただ、NY市場に入ると急ピッチで下落した反動でショートカバーが進んだ。シェインバウム・メキシコ大統領が「同国に対して米国が表明した25%の関税の発動が1カ月延期される」と明らかにしたほか、トルドー・カナダ首相が「米国の関税は少なくとも30日間停止」と発言すると、トランプ関税による貿易戦争激化への懸念が和らぎユーロ買い・ドル売りが広がった。取引終了間際には一時1.0350ドルと日通し高値を更新した。
 なお、米政権の対メキシコ・カナダ関税延期を受けて、メキシコペソとカナダドルは急伸。ドルペソは一時20.3078ペソ、ペソ円は7.62円までペソ高に振れたほか、米ドルカナダドルは一時1.4390カナダドル、カナダドル円は107.51円までカナダドル高に振れた。

 ドル円は反落。終値は154.73円と前営業日NY終値(155.19円)と比べて46銭程度のドル安水準だった。トランプ米政権による関税発動が米経済や企業収益に悪影響を与えるとの懸念が高まると、ダウ平均が一時660ドル超下落。リスク・オフの円買い・ドル売りが優勢となり、0時30分前には一時154.02円と日通し安値を更新した。
 ただ、前週末の安値153.92円が目先サポートとして意識されると下げ渋る展開に。米政府による対メキシコ関税が1カ月先送りになったことが伝わると、株価の下げ渋りとともにドル円にも買い戻しが入り、155.01円付近まで下げ幅を縮めた。
 なお、この日発表の1月米ISM製造業景況指数は50.9と予想の49.6を上回り、12月米建設支出は前月比0.5%増と予想の0.2%増より強い内容となった。

 ユーロ円も反落。終値は160.06円と前営業日NY終値(160.78円)と比べて72銭程度のユーロ安水準。0時30分前に一時157.97円と昨年12月9日以来の安値を付けたものの、米国の対メキシコ・カナダ関税延期をきっかけに買い戻しが強まると、週明け早朝取引で付けた159.98円を上抜けて一時160.15円まで値を上げた。

本日の参考レンジ
ドル円:154.02円 - 155.89円
ユーロドル:1.0141ドル - 1.0350ドル
ユーロ円:157.97円 - 160.15円

(中村)
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