ロンドン為替見通し=トランプ・リスクの強弱を探りながらの取引

 本日のロンドン為替市場でも、トランプ・リスクの強弱を探りながらの取引か。昨日ニューヨーク午後からリスク回避の巻き戻す動きが見られたものの、先行き不透明感は漂ったままだ。欧州午後(NY早朝)、米大統領の起きがけに気が変わるかもしれず、暫くはトランプ発言に振り回される相場が続きそうだ。

 昨日は「米国のメキシコとカナダに対する25%関税」を巡る動きや、「南アフリカへの資金援助を全面停止」とのトランプ大統領の表明に相場は右往左往させられた。週明けユーロドルは下サイドに窓を開けて始まり、一時は先週引け水準から200ポイント以上も下落。2022年11月以来の安値1.0141ドルをつけた。しかしながら、メキシコとカナダへの関税延期が報じられると、先週末の安値水準1.03ドル半ばまで切り返している。

 欧州連合(EU)に対してもトランプ大統領は、新たな関税を課すことを強調。具体的な税率や時期などは明らかにされていないものの、米・メキシコ・カナダ協定(USMCA)内で関税の掛け合いに発展しそうな状況のなかで、EUが次なる標的にされても致し方ないか。いずれにせよ、米大統領が取り憑かれたように他国・地域に圧力をかける姿勢が落ち着くのはまだ先だろう。

 なおトランプ米大統領は中国にも10%の追加関税を課すことを表明しているが、中国の出方次第では回避される可能性も残されているもよう。米中トップ会談が実施されるとの報道もあり、経済規模で世界1位と2位の両国がもし歩み寄るようであれば、リスクセンチメントも大きく改善することになりそうだ。

 本日はユーロ圏から重要な経済指標は予定されていない。金融当局者の講演は、欧州午後にビルロワドガロー仏中銀総裁が予定されている程度。

想定レンジ上限
・ユーロドル、日足一目均衡表・雲の下限1.0444ドル

想定レンジ下限
・ユーロドル、3日レンジの半値1.0246ドル


(小針)
株式会社DZHフィナンシャルリサーチより提供している情報(以下「情報」といいます。)は、 情報提供を目的とするものであり、特定通貨の売買や、投資判断ならびに外国為替証拠金取引その他金融商品の投資勧誘を目的としたものではありません。 投資に関する最終決定はあくまでお客様ご自身の判断と責任において行ってください。情報の内容につきましては、弊社が正確性、確実性を保証するものではありません。 また、予告なしに内容を変更することがありますのでご注意ください。 商用目的で情報の内容を第三者へ提供、再配信を行うこと、独自に加工すること、複写もしくは加工したものを第三者に譲渡または使用させることは出来ません。 情報の内容によって生じた如何なる損害についても、弊社は一切の責任を負いません。