週間為替展望(ポンド/加ドル)-加ドル、関税交渉待ちで上値重い
◆トランプ関税に振り回される相場続くも、徐々に免疫力つく可能性
◆ポンド、利下げペース加速の思惑で上値の重い動き
◆加ドル、関税見送りで売り小休止も交渉待ちで上値重い
予想レンジ
ポンド円 186.00-192.00円
加ドル円 104.00-108.00円
2月10日週の展望
相場全体でトランプ関税をめぐる神経質な動きが継続。トランプ米大統領は関税を交渉の駆け引きとして利用しているだけに、今後も関税方針は二転三転することが見込まれ不透明感が強い。関税の話題は今後数週間、数カ月間続く可能性はあるが、市場も徐々に免疫力を付けてきそうだ。
今週、イングランド銀行(英中銀、BOE)はメンバー全員が利下げを主張し、政策金利を4.50%に引き下げた。ただ、マン委員とディングラ委員は4.25%への大幅利下げを求めたことが判明。市場ではBOEが利下げペースを加速させるとの見方が強まっており、ポンドは上値の重い動きが見込まれる。英国内で来週は10-12月期GDPや12月鉱工業生産・製造業生産指数、貿易データの発表が予定されている。最近の英経済指標に景気の鈍化を示す内容が見られており、指標がさえない結果となれば追加利下げの思惑が更に高まりそうだ。今週発表の1月建設業PMIは48.1と約1年ぶりに景気判断の分岐点とされる50を割り込んだ。
トランプ関税の次のターゲットは欧州になりそうだが、トランプ米大統領は「EUへの関税は近いうちになる」と明言した一方で、英国への関税を約束することはせず、対英貿易関係には問題もあるが、「それは解決できると思う」と説明。スターマー英首相とは「非常にうまくやっている」と述べた。スターマー英政権は、トランプ米大統領を称賛し米国からの輸入を強調しながら、経済成長に苦しんでいるこの時期に関税を回避しようと奔走している。
加ドルは、関税警戒感を背景とした売りはいったん小休止するも、関税をめぐる不確実性が高く上値は重くなりそうだ。米政権は1日にカナダ製品に25%の関税を課すとし、カナダ政府も即座に報復措置を取ると発表したが、3日にトランプ米大統領は「カナダとの最終の経済協定が成立するかを見極めるために関税発動を1カ月延期する」と表明した。いったん冷却期間をもつことになるが、1カ月先の期限に向けて両国の今後の協議が注目される。
加国内では来週、12月住宅建設許可件数や12月卸売売上高・製造業出荷などの発表が予定されているが、結果が加ドルの方向感につながる可能性は低い。カナダ中銀(BOC)は1月会合で6会合連続の利下げに踏み切ったが、経済成長の低迷で次回3月会合での追加利下げの可能性がくすぶっている。関税をめぐる不確実性のなか、中銀は難しい舵取りを迫られている。
2月3日週の回顧
今週はトランプ米政権がメキシコ・カナダの関税を延期したことでドル高が一服。日銀の追加利上げ観測の高まりを背景に円買いが目立つ相場となった。
ポンドドルは1.25ドル半ばまで買い戻しが入ったが、1月英建設業PMIのさえない結果やBOEのハト派寄り利下げによるポンド売りで1.23ドル台まで失速。ポンド円は188円前半まで下落した。
加ドルは関税懸念が緩み、ドル/加ドルは週明けの1.47加ドル後半から1.42加ドル台まで加ドルの買い戻しが入ったが、加ドル円は円高を重しに108円近辺を頭に106円割れまで押し戻された。(了)
◆ポンド、利下げペース加速の思惑で上値の重い動き
◆加ドル、関税見送りで売り小休止も交渉待ちで上値重い
予想レンジ
ポンド円 186.00-192.00円
加ドル円 104.00-108.00円
2月10日週の展望
相場全体でトランプ関税をめぐる神経質な動きが継続。トランプ米大統領は関税を交渉の駆け引きとして利用しているだけに、今後も関税方針は二転三転することが見込まれ不透明感が強い。関税の話題は今後数週間、数カ月間続く可能性はあるが、市場も徐々に免疫力を付けてきそうだ。
今週、イングランド銀行(英中銀、BOE)はメンバー全員が利下げを主張し、政策金利を4.50%に引き下げた。ただ、マン委員とディングラ委員は4.25%への大幅利下げを求めたことが判明。市場ではBOEが利下げペースを加速させるとの見方が強まっており、ポンドは上値の重い動きが見込まれる。英国内で来週は10-12月期GDPや12月鉱工業生産・製造業生産指数、貿易データの発表が予定されている。最近の英経済指標に景気の鈍化を示す内容が見られており、指標がさえない結果となれば追加利下げの思惑が更に高まりそうだ。今週発表の1月建設業PMIは48.1と約1年ぶりに景気判断の分岐点とされる50を割り込んだ。
トランプ関税の次のターゲットは欧州になりそうだが、トランプ米大統領は「EUへの関税は近いうちになる」と明言した一方で、英国への関税を約束することはせず、対英貿易関係には問題もあるが、「それは解決できると思う」と説明。スターマー英首相とは「非常にうまくやっている」と述べた。スターマー英政権は、トランプ米大統領を称賛し米国からの輸入を強調しながら、経済成長に苦しんでいるこの時期に関税を回避しようと奔走している。
加ドルは、関税警戒感を背景とした売りはいったん小休止するも、関税をめぐる不確実性が高く上値は重くなりそうだ。米政権は1日にカナダ製品に25%の関税を課すとし、カナダ政府も即座に報復措置を取ると発表したが、3日にトランプ米大統領は「カナダとの最終の経済協定が成立するかを見極めるために関税発動を1カ月延期する」と表明した。いったん冷却期間をもつことになるが、1カ月先の期限に向けて両国の今後の協議が注目される。
加国内では来週、12月住宅建設許可件数や12月卸売売上高・製造業出荷などの発表が予定されているが、結果が加ドルの方向感につながる可能性は低い。カナダ中銀(BOC)は1月会合で6会合連続の利下げに踏み切ったが、経済成長の低迷で次回3月会合での追加利下げの可能性がくすぶっている。関税をめぐる不確実性のなか、中銀は難しい舵取りを迫られている。
2月3日週の回顧
今週はトランプ米政権がメキシコ・カナダの関税を延期したことでドル高が一服。日銀の追加利上げ観測の高まりを背景に円買いが目立つ相場となった。
ポンドドルは1.25ドル半ばまで買い戻しが入ったが、1月英建設業PMIのさえない結果やBOEのハト派寄り利下げによるポンド売りで1.23ドル台まで失速。ポンド円は188円前半まで下落した。
加ドルは関税懸念が緩み、ドル/加ドルは週明けの1.47加ドル後半から1.42加ドル台まで加ドルの買い戻しが入ったが、加ドル円は円高を重しに108円近辺を頭に106円割れまで押し戻された。(了)