NY為替見通し=パウエルFRB議長の議会証言、新政権の影響をどのように語るか注目

 本日のニューヨーク為替市場では、複数予定されている米金融当局者の発言を受けてドルが上下する展開か。そのなかでも最も注目されるのは、日本時間24時頃から始まる米上院銀行委員会におけるパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の証言だろう。米金融トップが半期に一度に行う議会証言で、金融政策や経済情勢に関して突っ込んだ話が出てくるかもしれない。

 先月下旬の米連邦公開市場委員会(FOMC)では、市場予想通りに政策金利の据え置きが決定された。その声明文では、インフレについて「2%の目標に向けて進展してきた」という部分を削除。パウエルFRB議長は「特に何かを示唆するものではない」としながらも、追加利下げは急がない姿勢を示した。

 足もとの短期金融市場では、年内残り7回のFOMCで0.25%利下げが2回あるかどうか迷いが見られる。現状、トランプ関税によるインフレ圧力の高まりが懸念されているは確か。そういった中でパウエル議長が本日、トランプ政権の政策による先行き不透明感を強調するようであれば、利下げ織り込み度の低下からドルが強含む場面もありそうだ。

 なおトランプ大統領は前回FOMCの後、銀行規制に関するFRBのアプローチを責め、パウエル議長がインフレ抑制でミスしたと批判した。FOMCの前に要求した金利引き下げについては、決定後は言及していない。この辺りについても、本日の米上院銀行委員会で質問されると思われ、パウエル氏がどのように答えるかが注目される。

 他に本日は、ハマック米クリーブランド連銀総裁がNY序盤に講演し、終盤にはウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁やボウマンFRB理事も話す予定。またNY午後には米3年債の入札も行われる。

想定レンジ上限
・ドル円、6日高値152.89円

想定レンジ下限
・ドル円、7日安値150.93円


(小針)
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