株式明日の戦略-方向感に欠けるもプラスを確保、あすは様子見姿勢が強まるか

 17日の日経平均は小幅反発。終値は24円高の39174円。まちまちの米国株を受けて、寄り付きは小幅安。場中は方向感が定まらず、プラス圏とマイナス圏を行き来した。下げ幅を3桁に広げても39000円は割り込まず、安値は早い時間につけた。一方、戻してプラス圏に浮上してくると上値が重くなった。後場は小高い水準でもみ合う時間が長かったが、終盤にはマイナス圏に沈む場面があり、ほぼ横ばいでクロージングオークションに突入。終値では小幅ながらプラスを確保した。

 東証プライムの売買代金は概算で4兆3900億円。業種別ではゴム製品、石油・石炭、その他製品などが上昇した一方、鉱業、精密機器、輸送用機器などが下落した。前期の計画上振れや今期の大幅増収増益計画が好感された日本マイクロニクス<6871.T>がストップ高。半面、前期の営業減益着地が嫌気されたメドレー<4480.T>が急落した。

 東証プライムの騰落銘柄数は値上がり589/値下がり1000。防衛関連の川崎重工やIHIが大幅上昇。ディスコやソニーGなどグロース株の一角が米長期金利の低下を追い風に強い動きを見せた。上方修正や増配を発表したサンリオがストップ高。好決算が確認できたキオクシアが商いを伴って急伸した。ブリヂストンは保守的な今期見通しを提示したが、大規模な自己株取得・消却が好感されて5%を超える上昇となった。

 一方、トランプ大統領の関税に対する発言などから、トヨタ、ホンダ、SUBARUなど自動車株が軒並み安。米長期金利低下で円安一服に対する警戒も高まった。レーザーテックや東京エレクトロンは米金利低下を受けても下落。楽天が本決算を受けて売りに押された。MS&ADは3Q大幅増益も通期見通し据え置きが嫌気されて4%を超える下落。下方修正を発表したオリンパスが急落した。

 日経平均は小幅高。14日の3指数がまちまちであっただけに、方向感が定まらないのは仕方ない。終わってみればプライムでは値下がり銘柄が多かったが、それでもプラスで終えたのだから底堅かったと言える。安値を9時01分、高値を9時17分につけており、後場は投資家不在の感が強かった。本日の米国は休場で、あすもきょう同様に動きづらい地合いが想定される。決算発表は先週14日まででほぼ出そろっており、個別の材料も乏しくなる。そのような中、グロース250指数の動向が注目される。流動性の高さを求めて大型株に資金が向かうようなら、新興銘柄で値持ちの良かったものは利益確定売りに押される可能性がある。一方、引き続き値幅を求めた資金が滞留するようなら、新興銘柄のラリーがここから本格化する展開も想定される。
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