株式明日の戦略-伸び悩むも一時39500円を上回る、下値不安が大きく後退

 18日の日経平均は続伸。終値は96円高の39270円。米国株は休場で、寄り付きは小幅高。序盤ではプラス圏とマイナス圏を行き来するなど方向感が定まらなかった。ただ、マイナス圏ではすぐに切り返したほか、防衛株を中心に売買代金上位銘柄の動きが良く、次第にプラス圏が定着した。後場に入ると上を試す場面があり、13時近辺では上げ幅を300円超に広げて39500円を上回った。ただ、ここで天井感が出てきたことからその後は値を消す流れとなり、2桁の上昇で取引を終了。大引けが後場の安値となった。

 東証プライムの売買代金は概算で4兆3500億円。業種別では銀行、電気・ガス、空運などが上昇した一方、ゴム製品、水産・農林、小売などが下落した。前日決算を材料に強く買われたキオクシアホールディングス<285A.T>が商いを伴って14.9%高と急騰。半面、前日決算を材料に売られた楽天グループ<4755.T>が5.5%安と大きく崩れた。

 東証プライムの騰落銘柄数は値上がり930/値下がり664。欧州防衛株の上昇を手がかりに、三菱重工、川崎重工、IHIが大幅上昇。アドバンテストや東京エレクトロンなど半導体の一角が強かった。ホンダとの交渉再開に関するニュースが出てきた日産自動車に買いが入り、三菱自動車が急伸。日本の長期金利上昇を追い風に三菱UFJが上場来高値を更新した。全市場の売買代金トップとなったサンリオは高値圏で売り買いが交錯したが、終値ではプラスを確保した。

 一方、フジクラやソニーGが強めの下落。直近で決算を材料に買われていたアシックスやブリヂストンが利益確定売りに押された。国内長期金利の上昇が逆風となり、三菱地所や住友不動産など不動産株が全般軟調。化粧品株が弱く、資生堂やコーセーが昨年来安値を更新した。売り出しを発表したSREHDが急落し、プライムの値下がり率トップとなった。

 日経平均は続伸。終盤には失速したが、高値は39508円まであった。安値は39151円までで、終値(39270円)ではきっちり5日線(39203円)を上回った。きのうも一度も39000円を割り込んでおらず、下値が固まりつつある。また、きょうは売買代金上位銘柄の動きの良さが目立ったものの、指数に関してはグロース250指数が日経平均やTOPIXをアウトパフォームしており、中小型株にも引き続き資金が向かっている。けん引役がはっきりしない一方で、何が強く買われても不思議はない環境。休場明けの米国株が堅調に推移するようなら、日本株は大型・中小型そろい踏みで水準を切り上げる展開も期待できる。
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